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尼ヶ﨑彬セレクション 2

花鳥の使

歌の道の詩学

著:尼ヶ﨑 彬

紙版

内容紹介

俊成、定家、宣長などの歌論を日本人論として繙く。
名著、待望の新訂版!

本書は、勁草書房版(1983年刊)のその後の不備を訂し、松岡正剛氏の的確な解説と、「『セレクション版』のためのあとがき」を収録した決定版です。

「颯爽たる一冊だった。「あや」をもって言葉をつかうとは。……見えていないものを見えさせる。この見方が秀抜だった。」(松岡正剛氏)

目次

Ⅰ 和歌のあや―序説に代えて―
 序 二つの詞―ただの詞とあや―
 1 二つの意味―こころとことはり―
 2 二つの付託法―比と興―
 3 三つの曖昧化
  (1)統辞の異常 (2)多義性 (3)引用
 結び

Ⅱ 心と物―紀貫之―
 序
 1 状況―和歌の没落と復権―
 2 方略―中国詩論との離別―
 3 本質規定―和歌現象の自律性―
 4 形式規定―修辞の要求―
 5 様式分類―六つの歌のさま―
 6 和歌の標準―思いと付託―
 結び

Ⅲ 世界を生む言葉

歌の道の自覚―藤原俊成―
 1 時代思潮
 2 歌の道
 3 語りえぬものの伝承
 4 虚構と現実
 5 作品の自立性
 6 俊成歌論の位置
物狂への道―藤原定家―
 序 数寄と道
 1 継承と創造
 2 空なる和歌
 3 幽玄体
 4 有心体
 結び

Ⅳ 不思議界の陀羅尼

「あはれ」と「艶」—心敬Ⅰ—
 序
 1 幻の程のよしあし
 2 無常とあはれ
 3 えんふかきことはり
冷えたる世界―心敬Ⅱ―
 序 花紅葉と氷
 1 心のあり方
 2 詞の構成
 3 世界の見え方
 結び

Ⅴ 世外の道
「物のあはれをしる」事―本居宣長―
 序 宣長と歌論
 1 「実用」と「あだ事」
 2 「事の心」と「事の意」
 3 「触るる」と「をしはかる」
 4 「物のあはれを知る」道
 結び
言葉に宿る神—富士谷御杖—

 1 人道と神道
 2 神道と歌道
 3 直言と倒語
 4 表裏境神
 結び

あとがき〔勁草書房版〕
解説……松岡正剛
『セレクション版』のためのあとがき……尼ヶ﨑彬

著者略歴

著:尼ヶ﨑 彬
1947年愛媛県生まれ。
東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退(美学芸術学専攻)。
東京大学助手、学習院女子短期大学助教授を経て2017年まで同女子大学教授。
美学、舞踊学。
著書に、『利休の黒』(花鳥社、2022年)、『花鳥の使』(勁草書房、1983年)、『日本のレトリック』(筑摩書房、1988年)、『ことばと身体』(勁草書房、1990年)、『縁の美学』(勁草書房、1995年)、『ダンス・クリティーク』(勁草書房、2004年)、『近代詩の誕生』(大修館書店、2011年)、『いきと風流』(大修館書店、2017年)、『利休の黒』(花鳥社、2022年)など。

ISBN:9784909832627
出版社:花鳥社
判型:4-6
ページ数:332ページ
定価:3200円(本体)
発行年月日:2023年03月
発売日:2023年03月25日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VS