三重県の最南端に位置する東紀州は、複雑に入り組んだ海岸線と険しい山々に囲まれた自然豊かな地域である。それゆえに、かつては「陸の孤島」と呼ばれるほど交通不便の地であったが、昭和時代に険しい矢ノ川峠を越える省営バスの運行開始をはじめ、悲願だった紀勢本線の全通や国道42号の改修がなされ、人の往来も活発になっていった。本書には、東紀州の原風景ともいえる浜辺の人びとの暮らしや、鉄道開通によって賑わいを増した商店街、郷土に伝わる祭りなど、懐かしい写真およそ600枚をテーマごとに分類して収録した。フォトコラムとして、紀和町に広がっていた紀州鉱山の暮らしや、本年(令和2年)に解体が始まった尾鷲三田火力発電所の大煙突などを特集。初版1,000部限定出版。