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赤ずきんとオオカミのトラウマ・ケア

自分を愛する力を取り戻す〔心理教育〕の本

著:白川 美也子

紙版

内容紹介

トラウマはなぜ苦しみを引き起こす? 被害と加害はなぜ繰り返される? 災害トラウマの特徴とその支援は?
赤ずきんとオオカミの物語仕立てで、トラウマによる症状、回復のプロセス、支援の方法について学んでいきます。
医療・保健・福祉・司法・教育などの場でトラウマを受けた人と関わるスタッフ、そして当事者とご家族も読める本です。

目次

1章 トラウマを受けた人に伝えたい7つのこと
  (1)トラウマ記憶は「冷凍保存記憶」
  (2)フラッシュバックという症状
  (3)「過去の傷」を治すのではない「傷に影響を受ける今」を変える
  (4)「今・ここ」を豊かにする
  (5)語ることの意味
  (6)「助けて」って言えてますか?
  (7)未来の安全を確保する

2章 慢性的なトラウマが引き起こす症状
  (1)オオカミさんどうしたの?
  (2)DESNOSを読みとく
   感情に何が起きるか/自分を傷つけてしまう理由/安定した飛
   び方を学ぶ/記憶のコントロール/多重人格と「超」多重人格/
   身体の自然なコントロールができない/自分と相手/生きている
   意味/嗜癖のこと
  (3)私は誰?

3章 トラウマからの回復 7つのステップ
  プロローグ オオカミさん、赤ずきんと会う
  ステップ(1) 思い出すかどうか選ぶのは自分
  ステップ(2) あのときの痛みを語る
  ステップ(3) 自分の気持ちが受けとめられる
  ステップ(4) 「引き金」に気づく
  ステップ(5) 大切な自分の価値を認める
  ステップ(6) 関係を育てる
  ステップ(7) 人生という物語
  コラム《ジュディス・ハーマンによる回復の3段階》
     《メアリー・ハーヴェイによる回復の7段階》
     《トラウマとアタッチメントの傷》
     《さまざまな防衛と自我状態》

4章 災害トラウマの特徴と身体からのアプローチ
  プロローグ おとなになった赤ずきん
  PART(1) 森の村に何が起きたか
  PART(2) 災害トラウマとその治療
  PART(3) 子どもたちへの影響
  PART(4) 支援者たちの危機
  PART(5) 身体は治ろうとしている
  コラム《災害が与える影響》
     《ストレス反応&その後》
     《被災者と地域の回復プロセス》
     《災害トラウマ支援のために》

5章 支援者が知っておきたい大切なこと
  (1)支援することの意味
  (2)支援の大原則とその具体化
  (3)フラッシュバック・解離からの回復を促進する
  (4)段階的心理教育とスキル形成
  (5)支援者にとっての境界
  (6)代理受傷とその対処

ちょっと長めのあとがき
巻末資料

著者略歴

著:白川 美也子
精神科医、臨床心理士
「こころとからだ・光の花クリニック」院長
浜松医科大学卒業後、国立療養所天竜病院小児神経科・精神科医長、浜松市精神保健福祉センター所長、国立精神神経センター臨床研究基盤研究員、昭和大学特任助教など。
虐待・DVをはじめ対人暴力被害によるトラウマ治療に一貫して関わり、トラウマの連鎖を防ぐため、乳児院・児童養護施設・出産を扱う婦人保護施設などでの活動にも力を入れてきた。
2011年より東日本大震災後の学校支援に携わる。2013年に開業。

ISBN:9784901030229
出版社:アスク・ヒューマン・ケア
判型:A5
ページ数:160ページ
定価:1800円(本体)
発行年月日:2016年05月
発売日:2016年05月26日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VSP