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「流域」全体で推進する「流域治水」への転換——今、国土防災でキーワードとなっている「流域思考」。長年、「流域」概念を駆使した市民活動に参加し、治水・防災、都市計画、自然保護をテーマとする国や自治体の各種審議会で、「流域思考」を喧伝し続けてきた著者による、流域思考とその応用に関わるエッセー・論文を厳選して集成。

1.流域思考　生命圏再適応への地図戦略
2.ランドスケープをベースにした流域単位のまちづくりへ　Interview
3.市民活動が守る流域の生物多様性
4.総合治水対策から流域治水へ・鶴見川からの発信
5.足もとの自然に「生きものの賑わい」を求めて　地球人への自由時間
6.都市の地球化と〈世代の緑地〉
7.環境危機と地図の革命・革命の地図
8.流域の計画と都市
9.流域圏・都市再生へのシナリオ
10.流域とは何か

著：岸由二
慶應義塾大学名誉教授。理学博士。1947年生まれ。1966年横浜市立大学生物科卒業。1976年東京都立大学理学研究科博士課程単位取得退学。同年、慶應義塾大学生物学教室助手、1981年助教授、1991年教授を経て、2013年定年退職。進化生態学を専攻するとともに、鶴見川流域・三浦半島小網代等を持ち場として、〈流域思考〉にもとづく防災・多自然都市創出のための理論ならびに実践活動を推進中。
著書に『流域地図の作り方』、『奇跡の自然の守りかた』（共著）、『利己的遺伝子の小革命』、『生きのびるための流域思考』、訳書に『利己的な遺伝子』（ドーキンス：共訳）、『人間の本性について』（ウィルソン）、『進化生物学』（フツイマ：監訳）、『足元の自然からはじめよう』（ソベル）、『創造』（ウィルソン）、『自然という幻想』（エンマ・マリス：共訳）など。
国土交通省河川分科会委員、鶴見川流域水委員会委員ほか、国・自治体の各種行政委員を歴任。NPO法人 鶴見川流域ネットワーキング代表理事、NPO法人 鶴見川源流ネットワーク理事長、NPO法人 小網代野外活動調整会議代表理事。