日中戦争中,中国西南部(シーサンパンナ)を訪ねた生物学徒の見聞録。人と自然が,現代にも通じる豊かな感性と,ユーモアに溢れた筆致で描かれる。巻末に,この地域特有のタイ語表を収録
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中国西南部シーサンパンナ(本書では,現地音に近いシプソンパンナーと表記)を日中戦争中(1938年)に訪ねた,生物学徒姚荷生の見聞録。人と自然が,現代にも通じる豊かな感性とユーモアに溢れた筆致で描かれる。以下は最終章から...............
「わたしはこのような原始的な農村の暮らしを愛した。........午後はパイナップルの1つ2つを堪能してから,黄梁一炊の夢をむさぼる。これから醒めるころには,真っ赤な太陽が西に傾いている。ランソウコウの中に歩み入って,体の汚れと汗の臭いを洗い流す。たくさんの擺夷の男女も河の中に入って,いっしょに沐浴している。みなでお互いにふざけあって水をかける。.....
夜には気の向くままに隣近所を訪ね,あれやこれやひとしきり談笑する。そのあげく興到っては約騒[女あそび]へと繰り出して,鶯の鳴き声にも似た擺夷の娘のねんごろな優しい言葉を聴くのだ。......わたしは温和で天真爛漫な彼らが好きだ」