はじめに
本書と高校世界史教科書との対照表
第25講 ジュリエットのスコラ哲学
1.過去と現在の架け橋
2.スコラ哲学の「普遍論争」
3.オッカムからシェイクスピアへ
第26講 レオナルド・ダ・ヴィンチのまなざし
1.伝記作家ヴァザーリのみたダ・ヴィンチ
2.ヴィンチ村からフィレンツェへ
3.「最後の晩餐」
4.「モナ・リザ」
5.二つのまなざし
第27講 『ハムレット』、記憶の政治学
1.イングランドの絶対王政
2.エリザベス時代
3.劇作家シェイクスピアとエリザベス時代のイギリス
4.『ハムレット』の誕生
5.ハムレットの“沈黙”
第28講 東南アジアからみた「大航海時代」
1.私の教科書執筆の“失敗”
2.「海の道」と東南アジアの「港市国家」
3.モンゴル帝国と「第一次大交易時代」
4.「第二次大交易時代」の幕開け
5.ポルトガルのアジアへの参入
6.「第二次大交易時代」の「南蛮貿易」
第29講 インディオからみた「大航海時代」
1.イベリア半島のレコンキスタ
2.1492年の意味
3.コロンのアメリカ到達
4.インカ帝国の落日
5.インディアスの聖職者たち
6.権力が消せない“想像力”
第30講 ルターがいだいた恐怖
1.ルターの軌跡をさがして
2.神とルター
3.宗教改革と主権国家
4.宗教改革とメディア革命
5.宗教改革と資本主義
第31講 唯名論のなかからリヴァイアサンが立ち上がる
1.唯名論の恋人たち
2.主権国家の誕生
3.「財政・軍事国家」の端緒としての「イギリス革命」
4.ホッブズとピューリタン革命
5.『リヴァイアサン』における唯名論
6.『リヴァイアサン』における主権国家
7.現代のリヴァイアサン
第32講 赤ずきんちゃん気をつけて
1.本当の「赤ずきん」
2.狼の正体は何か
3.近世ヨーロッパの“子ども”
4.「赤ずきん」の成立
5.グリム兄弟にとっての「赤ずきん」
第33講 パスカル『パンセ』の問いかけ
1.天才自然科学者としてのパスカル
2.パスカルの「回心」
3.『パンセ』の出版
4.「狂気」にとらわれた人間
5.学問の意味
6.生きることの意味
第34講 天才モーツァルトの素顔
1.「神聖ローマ帝国」という不思議な存在
2.「汝はただ結婚せよ」
3.マリア・テレジアとヨーゼフ2世
4.「死とはモーツァルトが聴けなくなることだ」
5.モーツァルトの死因は何か
6.モーツァルトの「長く辛い労苦の結実」
第35講 フェルメールをさがして
1.若きオランダ
2.オランダの市民文化
3.デルフトのフェルメール
4.オランダの危機とフェルメール
第36講 オスマン帝国の栄光と黄昏
1.コンスタンティノープルの帝国への道
2.スレイマン1世の時代
3.「帝国」について考える
4.ボスニアの民族対立
第37講 明・清の皇帝専制と民衆
1.明の建国と朱元璋の専制
2.人格が最高に優越している皇帝
3.皇帝権力と民衆
4.大清帝国の台頭
5.完璧主義者の皇帝の遺産
6.完璧な専制権力と“自由”な民衆
第38講 日本列島の「近世」
1.戦国時代で争っていたのは誰か
2.戦国時代の「国家」と奴隷
3.豊臣秀吉の天下統一
4.バテレン追放令と朝鮮侵略
5.天下統一の「外」で
6.「鎖国」体制下の日本
第39講 「第二次大交易時代」の行方
1.オランダの「第二次大交易時代」への参入
2.オランダの世界商業の衰退
3.「伝統社会」の誕生
4.「第二次大交易時代」のあとのアジア海域
5.アジアに進出するイギリスの苦悩
第40講 産業革命から「帝国」へ
1.イギリスと北米植民地
2.「大西洋経済」の成立
3.イギリスの産業革命
4.産業革命の社会風景
5.ジェントルマン資本主義
6.産業革命から「帝国」へ
第41講 ジェファソン大統領と黒人奴隷
1.アメリカ独立戦争の勃発
2.「理念の共和国」
3.独立宣言から削除されたジェファソンの文章
4.『ヴァージニア覚え書』の黒人奴隷制批判
5.ジェファソンとサリー
第42講 正義のための恐怖政治
1.「貴族の革命」、「ブルジョワの革命」、「農民と民衆の革命」
2.1789年の人権宣言
3.人権宣言の光と影
4.革命の危機と山岳派独裁
5.ロベスピエールの正義
6.恐怖政治
7.徳と恐怖
第43講 オランプ・ド・グージュの『女の人権宣言』
1.「人間」に「女性」は含まれるか
2.劇作家オランプ・ド・グージュ
3.「女性の人権宣言」
4.グージュと恐怖政治
第44講 ナポレオン・ボナパルトの孤独
1.フランス革命とナポレオン
2.ナポレオンの栄光と孤独
3.ナポレオンが信じたもの
4.剣と精神
第45講 「不思議の国のアリス」と「切り裂きジャック」
1.深い穴のなかへ
2.「切り裂きジャック」事件
3.ヴィクトリア時代と「近代家族」の成立
4.ルイス・キャロルの逃避行
第46講 鉄血宰相ビスマルクと近代日本
1.岩倉使節団、横浜を出発す
2.岩倉使節団、アメリカ、イギリス、フランスへ
3.プロイセンの「三月革命」とユンカー
4.「鉄血宰相」ビスマルク
5.ビスマルクと岩倉使節団
第47講 宮廷生活を嫌ったオーストリア皇后
1.フランス革命から三月革命へ
2.オーストリアの三月革命
3.皇帝フランツ・ヨーゼフと妃エリーザベト
4.カフカの文学
5.ハプスブルク家の落日
6.もうひとりの「エリーザベト」