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エビデンスからみた森林浴のストレス低減効果と今後の展開

心身健康科学の視点から

監:筒井 末春
著:高山 範理

紙版

内容紹介

現代のストレス社会に森林浴の意義は大きくなってきている。リラクセーションとして知られる森林浴について最新の研究成果を含めサイエンティフィックにまとめた学術書。

森林浴に関する学術的な研究は、ここ数年で急速に広まり、多くの科学的エビデンスが得られるようになった。ITによる24時間社会で、ストレス性健康障害に陥る人々が企業の中でも問題視され、メンタルヘルスの重要性が指摘されている。心身のリラックス・リフレッシュに役立つ手段として、森林浴への興味が進み、健康科学・心身医学・リハビリ領域においても新たな展開がなされることを願って出版された。

目次

第Ⅰ部 森林浴のもたらす心理的なストレス低減効果
 第❶章 なぜいま森林浴なのか?
  A 森林浴とは?
  B 社会・経済的な要請
   1.国民医療費の慢性的上昇
   2.高齢者人口の増加
   3.地域の疲弊
   4.税収の長期的下落
  C 森林の管理に係る問題
   1.長期材価の低迷
   2.不足および高齢化する林業従事者
   3.荒廃する山村
   4.森林の多面的機能の発揮とその効能
   5.地域活性化の資源としての森林浴
  D 補完・代替療法としての森林浴
 第❷章 過去のエビデンスからみた森林浴のストレス低減効果
  A 海外の研究成果
  B 国内の研究成果
   1.生理・医学的アプローチによる身体的効果の研究成果
   2.心理的アプローチによる心理的効果の研究成果
   3.残された課題
   4.森林浴と心身相関
 第❸章 オンサイト実験における森林浴のストレス低減効果
  A 調査概要
   1.調査対象者
   2.調査対象地
   3.調査スケジュール
  B 心理的効果の測定
   1.ストレス低減効果(POMS)
   2.森林環境の印象評価(SD法)
   3.森林浴後の感想(感想アンケート)
  C 個人特性の測定
   1.知識・経験(プロフィールアンケート)
   2.性格特性(Neo─FFI;Neo Five Factor Inventory)
   3.自己効力感(GSES;General Self─Efficacy Scale)
   4.価値観・関心(TBS─test;Thompson and Barton Scale─test)
 第❹章 森林浴のストレス低減効果の検証
  A 森林の物理環境要因
  B 調査地の印象評価(森林環境─都市環境)
  C ストレス低減効果(森林環境─都市環境)
   1.歩行活動前後
   2.座観活動前後
  D ストレス低減効果(森林浴前─森林浴後)
   1.歩行活動前後
   2.座観活動前後
  まとめ
第Ⅱ部 心理的ストレス低減効果の個人差
 第❶章 森林環境の印象評価の個人差と個人特性
  A 印象評価と個人特性
  B 調査方法
   1.実験の概要
   2.個人特性についての考え方
  C 分析方法
  D 分析の結果と考察
   1.森林環境の印象評価と個人特性
   2.森林環境の印象評価と性格特性
   3.森林環境の印象評価と自己効力感
   4.森林環境の印象評価と価値観・関心
  まとめ
  第❷章 森林浴のストレス低減効果の個人差と個人特性
  A ストレス低減効果に個人差をもたらす要因とは?
  B 実験の概要
  C 調査方法
   1.個人特性を調べる調査票
   2.森林浴の心理的効果を調べる調査票
  D 分析方法
  E ストレス低減効果と個人特性との関係
   1.ストレス低減効果と知識・経験等
   2.ストレス低減効果と性格特性
   3.ストレス低減効果と自己効力感
   4.ストレス低減効果と価値観・関心
  F ストレス低減効果と森林浴中の活動の関係
   1.ストレス低減効果と歩行活動
   2.ストレス低減効果と座観活動
  まとめ
 第❸章 神経症傾向と森林浴のストレス低減効果との関係
  A 健常者の神経症傾向について
  B 調査・分析方法
   1.実験の概要
   2.調査票
  C 神経症傾向による被験者の分類
   1.被験者の分類方法
   2.被験者の分類結果
  D 分析結果
   1.『神経症傾向』が森林浴以前の気分の状態に与える影響
   2.『神経症傾向』が森林環境の印象評価に与える影響
   3.『神経症傾向』がストレス低減効果に与える影響
   4.『神経症傾向』が森林浴の体験後の感想に与える影響
  E 森林浴前から森林浴後の感想までの関連性
   1.『神経症傾向』と森林環境の印象評価および最終的な感想
   2.『神経症傾向』と森林浴の心理的効果および心身相関の関連性
   3.印象評価・森林浴のストレス低減効果・感想の関連性
  まとめ
 第❹章 個人差に配慮したプログラム・森林環境整備方策の展開
  A より実践的な管理へ
  B 神経症傾向の高い利用者に効果的なプログラムおよび森林環境整備方策
  C 整理方法
  D プログラム
   1.When(いつ)
   2.Where(どこで)
   3.With whom(だれと)
   4.Who(だれを)
   5.What(なにを)
   6.Why(なぜ)
   7.How(どのように)
  E 森林環境整備方策
   1.When(いつ)
   2.Where(どこで)
   3.With whom(だれと)
   4.Who(だれを)
   5.What(なにを)
   6.Why(なぜ)
   7.How(どのように)
  まとめ
文 献
索 引

ISBN:9784880027364
出版社:新興医学出版社
判型:B5
ページ数:97ページ
定価:3500円(本体)
発行年月日:2012年07月
発売日:2012年07月01日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:MBN