出版書誌データベース

日本と日本人、そして中東・イスラーム文化圏の国々・人びととを結ぶ交流の歴史を一筆書きにたどることは容易ではない。しかしながら、過去半世紀余に亘って、筆者が主として中東外交の担い手として、また相棒もとこが文化人類学的フィールドワークを通じて観察し体験したところ、また内外の関係者から学んだところを何回かに分けてまとめてみたい。なお、全体の流れを追うに当たって、日本と中東・イスラーム世界間にかかわる主要な課題について、できる限り、双方の代表的見解・言い分を比較・対照させ、歴史的事案を公平かつ客観的にとらえ、将来の教訓とするよう心掛けた・（本書・序文より）※和文英文混植で構成されています。

著：片倉　邦雄
1933年東京生まれ。1960年東京大学法学部卒。同年外務省入省。駐サウジアラビア大使館及び国連代表部一等書記官、中近東第二課長、イラン大使館公使、バンクーバー総領事を経て、駐アラブ首長国連邦大使（1986-88）、駐イラク大使（湾岸戦争当時、1990-91）、国際交流基金専務理事（1991-94）、駐エジプト大使（1994-97）を歴任。第二回東京アフリカ開発会議・政府代表（1998）を務め、1999年外務省退官。大東文化大学大学院国際関係学部教授（1999-2004）を経て、現在片倉もとこ記念砂漠文化財団評議会議長、日本アラブ協会副会長。宮城県登米郡中田町名誉町民（1998）、講道館国際柔道貢献賞（1999）、瑞宝中綬章（2009）受賞。

著：片倉　もとこ
1937年奈良県生まれ。2013年没。東京大学理学系研究科地理学専攻博士課卒業（理学博士）。文化人類学者。津田塾大学教授（1978-81）、国立民族学博物館教授（1981-93）、ブリティッシュ・コロンビア大学客員教授（1985-86）、アラブ文献研究センター客員研究員（1988-89）、総合研究大学院大学教授（1989-93）、中央大学総合政策学部教授（1993-2005）、国際日本文化研究センター所長（2005-08）を経て、国立民族学博物館名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授、国際日本文化研究センター名誉教授を歴任。サウジアラビアの砂漠で遊牧民と生活をともにしながら調査を重ね、エジプト、シリア、イラン、アラブ首長国連邦、イギリス、カナダ、アルゼンチンなど世界各地でフィールドワークを行なう。大同生命地域研究奨励賞、エッソ研究奨励賞、石油文化賞、各務記念財団最優秀図書賞、アジア経済研究所開発途上国研究奨励賞など、受賞多数。