昭和十九年五月、唐津市に暮らす野﨑レイ子(十七歳)は、幼なじみの藤輝子(十八歳)を誘い、姉の光枝(二十四歳)が勤務するソ満国境の街・虎頭の軍人会館を訪ねる。こうして三人の共同生活が始まる。虎頭は国境守備隊が駐屯し、地下陣地が築かれた対ソ防衛最前線の街だった。昭和二十年八月九日未明、ソ連軍が虎頭に進攻する。住民たちは地下陣地に避難するが……。
本書は、虎頭に留まった光枝と輝子、直前に虎頭を離れ難民となったレイ子の波乱に満ちた物語である。
読者対象は中学生・高校生・大学生、教員、一般の方。現代史、女性史、人権・平和教育の教材としても最適。著者は、帰還したレイ子の証言と研究成果を小説としてまとめ上げた