混迷と激動の一九三〇年代
青年将校がめざした〝昭和維新〟とは何だったのか、彼らはなぜ二・二六に突入したのか―-
二・二六事件は、どこに光を当てるかで相貌が変わる不可思議な多面体である。それはまた、事件を一定の枠の中に押し込めて語ることの不毛と不可能を意味してもいる。
本書はあらゆるイデオロギーから解放されて、時代の内側から事件と人物を叙述しようとした試みである。
いま世界には分断と対立が渦巻き、国内でもそれが顕在化しようとしているのを感じて慄然とすることがある。
経済格差と防衛問題が焦点となっているが、これは二・二六の時代も同様であった。
くり返してはならない歴史があるとするなら、一九三〇年代の日本を知ることで、私たちはその知恵を共有することができるので
はあるまいか。
(著者からのメッセージ)