第一章 うつわと、庖丁と、料理
庖丁しごとは、速さではない/焼く、煮る、蒸す、炒める、揚げる/うつわは料理の「装い」/盛り映えするのが、よいうつわ
第二章 料理はどうしたら、おいしくつくれますか
京料理はうす味なのか/おいしいと感じる最適温と口中調味/おいしい料理の原点
第三章 だしと塩と水、隠しごとはありません
ブルゴーニュとナパヴァレー/ピンクの塩と、酢の妙/京都の水はやわらかい/だしは、料理の生命線/フランス人シェフが、鰹と昆布のだしを学ぶ/折りに詰めるもんは、あらしまへん/出汁でイノベーションをおこす/だしを挽いてください
第四章 料理は、聖なる炎と清き水にあります
火のチカラ。サラマンダーのころ/石窯との出会いと、別れ/原点回帰。炭火の一部始終を見せる
第五章 献立、内緒ばなし
献立は女性の下着、山が二つ/抜け感のある料理/二時間半のハレ舞台
第六章 春 春の香を胸いっぱいに吸いこんで
筍はふかふかの土で育つ/ふきのとうは春そのもの/うどと芹で春らんまん/蛤のだしに耽溺する
第七章 夏 夏の日差しと西瓜のにおい
〝ほんまもん〟の稚鮎/色白の夏蓮根/うすい豆はしわしわでいい/賀茂なす、長なすは、おばんざいの名残/トマトの気配/西瓜の音色と手づかみで苺/鮑は海でふかぶかと眠る/雲丹は夏の花火のように
第八章 秋 秋のごちそう、色づく野山
〝はもまつ〟が秋の大ごちそう/パリの焼き栗と栗ごはん/オレンジ色の海の宝石、いくらをたっぷりと/新米の底力/秋刀魚と炭火/川を下る秋鰻/西の鯖は酢で〆、東の鯖は煮る/さつま芋は午睡して甘くなる/衣被の記憶
第九章 冬 冬の底冷えが、おいしさを連れてくる
素顔の〝香箱〟と 〝津居山かに〟に耽溺する/寒ブリと、冬の夜空に響く雷/淀大根と篠大根、大根の声を聴く/百合根と黒豆/からすみが〝眠り〟から醒めるとき/ぐじと甘鯛/牛蒡の土の香りを嗅ぐ/九条ねぎの秘密/牛肉を絶った二年の月日/クエは海の深いところで夏を越す/すっぽんは京料理の粋人/極上のフカヒレと、津波でなくしたもの
第十章 京都の暖簾とミシュランの星
京都で暖簾をあげるということ/京都はテーマパーク/京都をサンセバスチャンに/日本に上陸したミシュラン。二つ星でよかった/三つ星の矜持/コロナ禍の静寂と感謝
第十一章 料理人はスケベやないとあきまへん
店を六カ月休んで、大改装/アンテナは複数あったほうがいい/料理人はスケベやないと/たかが、五百万円、されど五百万円
第十二章 被災地の豚汁と雑炊に
料理のチカラを知る/豚汁と雑炊/そろそろカレーが食べたいな/海苔弁に込めた感謝の気持ち
第十三章 料理との絆、友との絆
もう死ぬのかな/おしゃべりは苦手だった/小山薫堂さんから教わったこと/加藤和彦さんから教わったこと/矢沢永吉さんのステージが手本
第十四章 あの日のオムライスをもう一度食べたい
昔風のオムライス/茶碗蒸しは天才/南瓜の煮っころがし/ふかした卵/焼きめしが人生を決めた