音楽と病のポリフォニー
大作曲家の健康生成論
著:小林 聡幸
内容紹介
作曲は狂気か、それとも生存戦略か──
病に直面した作曲家たちの創造の秘密にせまる!
病に立ち向かえ。音楽を武器に!
ハイドン(認知症?)、
シューマン(進行麻痺?)、
ブルクミュラー(てんかん?)、
シベリウス(うつ病?)……
音楽を創造することによって、内面の危機を克服し、
芸術へと昇華させた作曲家たち──
精神病理学者が解き明かす創造と疾病の驚くべき対位法!
登場する作曲家
ヨーゼフ・ハイドン
ローベルト・シューマン
ノルベルト・ブルクミュラー
ジャン・シベリウス
リヒャルト・シュトラウス
ドミトリー・ショスタコーヴィチ
チャールズ・アイヴズ
ジャチント・シェルシ
目次
序
第1章 わが力尽き果てぬ、われは老いわれは弱りぬ──筆を折るヨーゼフ・ハイドン
ハイドンの名刺
エステルハージ家の楽長の生涯
パパ・ハイドンの芸術
晩年
筆を折るハイドン
おわりに
第2章 詩と内因──しっかりと黙っているローベルト・シューマン
ヴァイオリン協奏曲ニ短調
二人のシューマン
詩と散文の抗争
クラーラ・ヴィーク
病と作曲
天使の歌
エンデニヒの病気
右手の故障
しっかりと黙っているシューマン
発狂を恐れるシューマン
内因を聴くシューマン
「知っている」シューマン
チェロとピアノのための《五つのロマンス》
第3章 ロマン主義とヒステリー──ノルベルト・ブルクミュラーの二つの回路
時代精神と「てんかん」
夭折の生涯
風変わりな人物
残された作品
二つの回路
ヒステリーと音楽
第4章 ヤルヴェンパーの沈黙──ジャン・シベリウスと第八交響曲
シベリウス晩年の謎
独立を待つフィンランド
ジャン・シベリウスの誕生
人となり
アイノラにて
シベリウスの音楽
ヤルヴェンパーの沈黙
「創造性の抑うつ状態」
第5章 自画像を描くことと人間学的均衡──才能を羽織るリヒャルト・シュトラウス
天才と職人
ホルン吹きの息子
指揮者シュトラウス
交響詩作家シュトラウス
家庭人シュトラウス
オペラ作曲家シュトラウス
第三帝国のシュトラウス
焦土のシュトラウス
矛盾なき相反
人間学的均衡
第6章 スターリニズムを生き延びる──ドミトリー・ショスタコーヴィチの生存戦略と健康生成
「証言」と「自伝」のあいだ
ソヴィエト最初の作曲家
躍進
プラウダ批判
これが彼の答えだ
サッカー狂い
二枚舌と多義性
ジダーノフ批判
雪解け
晩年
首尾一貫性のレジリアンス
第7章 日常生活の創造性──チャールズ・アイヴズとジャチント・シェルシの仕事
日常生活の創造性
チャールズ・アイヴズ
ジャチント・シェルシ
臨床のほうへ
創造性をとらえる
参考文献
あとがき
人名索引
初出一覧
ISBN:9784865591903
。出版社:アルテスパブリッシング
。判型:4-6変
。ページ数:352ページ
。価格:2800円(本体)
。発行年月日:2018年09月
。発売日:2018年09月10日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:AVM。