晩氷期、人類はどう適応したか?
長く厳しい氷河時代末期、ようやく温暖化しつつあった世界は、突然激しい気候変動に見舞われた。晩氷期(15,000〜11,700年前)とよばれる氷期最後で最大規模のこの気候変動が、その後に続く温暖な完新世を迎えようとしている人類社会に与えた影響は深刻であった。
本書『晩氷期の人類社会―北方先史狩猟採集民の適応行動と居住形態―』では、これまで筆者等が実施してきた北海道北見市吉井沢遺跡の調査成果を中心に、北海道に居住した先史狩猟採集民による晩氷期適応の実態について、最新の研究成果に基づく議論を展開している。そこでは、激しい寒暖を繰り返す晩氷期の北方世界において、先史人たちがどのような遊動生活を切り開いたかが具体的に描写されている。先端的な考古学研究がどこまで実態に迫り得るのか、ぜひ一読を勧めたい。