はじめに――振り向きざまのリアル
第Ⅰ部 哲学の余徳
1 哲学の奇妙な効用
秘められた老化との葛藤
連鎖式のパラドクスとハゲ頭
他人の痛み
現実と虚構の相互侵犯
2 古(いにしえ)の東西文化交流
借り物の哲学
アレクサンドロス大王の東征の影響
キリスト教と真言密教
『さまよえる猶太人』
イエズス会日本コレジヨの『講義要綱』
3 哲学はちょっとアブナイ(?)
『審判』
人間は動物とどこが違うか?
神性と獣性の間の空隙としての人間
祭りごと(=政)としての政治の変容
哲学の使命
4 人は見かけによらない?――古代ギリシアにおける観相の術と情念論をめぐって
観相学
情念からの脱却か,それとも適度な情念か
結び――神性と獣性の間で
5 我々はどこから来たのか
神語りと自然語り
現代の宇宙物理学的世界観の限界
結び――偶然か神秘か
6 「神を見る」ということ――大森正樹著『エネルゲイアと光の神学』を読んで
第Ⅱ部 災禍からの再生に向けてリスクを分かち合う倫理
7 地球化時代の正義とは――『共生と平和への道』を読んで
迫り来る闇に抗して
復讐せよ,されど心は汚すな
赦しと共生に向けて
8 九・一一以降のハムレット
削除されたフォーティンブラス
フォーティンブラスと機関銃
ミュージシャン・ハムレット
舞台を汚せ!
復讐せよ,されど心は汚すな
9 映画『沈黙』を観て
『沈黙』の背景としてのキリシタン史
神の沈黙
かくれキリシタン
10 リスクを分かち合う倫理
市場の倫理・統治の倫理
自由主義と共同体主義,そして二大政党制
リスク社会
不知の知
規範倫理学の再生
11 カントの徳理論と徳倫理学の諸相
徳概念をめぐる変容史概観
アンスコム以降の徳倫理学をめぐる状況
カント的徳理論と徳倫理学をめぐる一考察
12 わがストーマ体験記
「ストーマ=人工肛門」入門講座 構造編
ストーマ入門講座 実践編
人工肛門って障害なの?
第Ⅲ部 とりとめのない余談
13 「顔なし」と「坊」のサブストーリー――「千と千尋の神隠し」を観て
14 デイヴィッドはモニカを愛したのか――映画「A・I」を観て
デイヴィッドはモニカを愛したのか
15 「三方一両損」は円満解決か?
「三方一両損」
「文七元結」
「三方一両損」的解決への疑いの勧め
16 古今亭志ん朝師匠を偲ぶ
17 談志と「らくだ」
18 操作する生・操作される生
悲劇に潜む操作
意図せざる情報操作――歴史の場合
生物進化の操作
19 ブランチ(「欲望という名の電車」)とウィトゲンシュタイン
20 「三人姉妹」を追放されしトゥーゼンバフの物語
21 句集『眠るまで』を読んで
22 荒川洋治『詩とことば』を読んで
23 〈価値語〉論の一つのアプローチ
本章の目論見
原初的価値経験
顕在的価値語と超越論的価値語
ひとまずの結び
附録 書評:Roland Betancourt, Sight, Touch, and Imagination in Byzantium.
あとがき
初出一覧
索引