マーチン・ヒューイット【完全版】
著:アーサー・モリスン
訳:平山雄一
内容紹介
バロネス・オルツィの「隅の老人」、ジャック・フットレルの「思考機械」と並ぶ“シャーロック・ホームズのライバル”「マーチン・ヒューイット」。原書4冊に収録されたシリーズ全25作品を1冊に集成! 本邦初訳作品も多数! 初出誌の挿絵165点を完全収録! 初出誌と単行本の異同もすべて記録! マーチン・ヒューイットは、ホームズの「ライヴァル」というよりも、ホームズ・シリーズが「最後の事件」をもって「ストランド・マガジン」の連載を終了したあと、その穴を埋めるべく連載が始まったものなので、「シャーロック・ホームズのピンチヒッター」と呼んだほうがいいのかもしれない。挿絵も、ホームズと同じくシドニー・パジェットが担当し、描かれたマーチン・ヒューイットの姿形がホームズの兄マイクロフト・ホームズにそっくりで、しかも氏名の頭文字がどちらも「M・H」だったので、二人は同一人物なのではないかという奇説まで飛び出した。 マーチン・ヒューイット・シリーズは、全四冊の単行本からなっている。 幸い、すべての作品がこれら四冊の単行本に収録されているので、多くが単行本未収録だった「思考機械」とは違って、楽に作品を蒐集することができた。また「隅の老人」のような大幅な書き換えもなく、三つの中では訳出する上で一番苦労が少なかったかもしれない。だが、最初の二冊の収録作には既訳が多くあるものの、あとの二冊はほとんど手つかずで、特に『赤い三角形』は本書がすべて本邦初訳である。(平山雄一「訳者解説」より)
目次
『マーチン・ヒューイット、探偵』レントン農園盗難事件/サミー・スロケットの失踪/フォガット氏事件/ディクソン魚雷事件/クイントン宝石事件/スタンウェイ・カメオの謎/亀の事件『マーチン・ヒューイットの事件簿』蔦荘の謎/ニコバー号の金塊事件/ホルフォード遺言状事件/失われた手の事件/レーカー失踪事件/記憶喪失の外国人事件『マーチン・ヒューイットの冒険』ゲルダード氏の駆け落ち事件/故リューズ氏事件/セットン夫人の子どもの事件/「コウモリ槍騎兵隊」事件/死んだ船長の事件/ワード・レーンの礼拝堂事件『赤い三角形』サミュエルのダイヤモンド事件/ジェイコブ・メイソン氏事件/レヴァー鍵の事件/納屋の火事の事件/海軍暗号事件/チャネル・マーシュの冒険マーチン・ヒューイットの略歴/訳者解説
ISBN:9784861828553
。出版社:作品社
。ページ数:616ページ
。価格:6800円(本体)
。発行年月日:2021年06月
。発売日:2021年06月30日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB。