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ロシア、ウクライナ、そしてパレスチナ、アフガニスタン。争いに満ちた世界で、真に尊いものはなにか―。紛争地を歩いた著者が贈る連作短編集。悲劇に見舞われたアフガンの少女を描く「青い目の少女」、長崎で被爆した老女が戦争を語る「桜貝の記憶」、そしてロシアのウクライナ侵攻をモチーフとした表題作「漆黒のピラミッド」など、全10編を収載。

〈収載作品〉北のスフィンクス／青い目の少女／心臓石／わたしの唯一の望み／カラット天秤／'77／悪人／蟬／桜貝の記憶／漆黒のピラミッド

著：横村　出
1962年、新潟県柏崎市生まれ。早稲田大学政経学部卒・大学院政治学研究科修了。新聞社の外報部からロシアへ留学し、モスクワ特派員になる。ロシア東欧、中央アジア、中東アフリカでの紛争や革命を取材した。本作『漆黒のピラミッド 世界をめぐる十の短編』は、作家が自らの足で歩いた現代世界の点描を短編小説にしている。戦国大名毛利氏の前史を描く歴史小説『放下 小説 佐橋ノ荘』(新潟日報事業社）のほか、ロシアの戦争の闇を記録したルポルタージュ『チェチェンの呪縛』(岩波書店）がある。