トリチウムについては、これまで「あまり危険な放射性核種ではない」、ということが、まことしやかに国や電力、アカデミズムの学会や学者などからも言われ続けてきた。国際社会においても同様で、排水などに関する国際的な基準値も非常に緩い。本当にそうなのだろうか、危険性は低いのだろうか、という素朴な疑問が、本書翻訳の動機のひとつである。
本書ではトリチウムの「危険性」について詳述し、汚染水の海洋投棄がいかにトリチウムの危険性を無視したものかを明らかにしている。またトリチウムを始め放射性核種に関してこれまで、ほとんど注目されることのなかった胎盤を通じて胎児に移行するという危険性なども指摘している。