はじめに
序 章──ヒグマ学とは何か………増田隆一
1 動物としてのヒグマ
2 文化におけるヒグマ
3 ヒグマ学におけるヒグマ
4 『ヒグマ学入門』から『ヒグマ学への招待』へ
5 本書の構成と概要
第Ⅰ部 ヒグマと自然環境
第1章 ヒグマの生態………山中正実
1 ヒグマは「森のクマさん」じゃない
2 日和見主義の雑食動物
3 サケ・マスを食べるヒグマは大きい
4 春から夏の食物と生息環境
5 秋の食物と生息環境
6 冬眠を行う生活年周期
7 オス・メスの行動および繁殖
8 シカは恵みか災いか
第2章 世界のヒグマと移動の歴史………平田大祐
1 世界のヒグマ
2 ヒグマとホッキョクグマの関係
3 ヒグマとホラアナグマの関係
第3章 想像を超えたヒグマとサケのつながり
──互いに影響する生態と進化、そして生態系全体へ………小泉逸郎
1 サケの特徴的な形態と進化
2 クマがサケに与える影響
3 サケがクマに与える影響
4 クマとサケだけでは終わらない─生態系全体への波及
5 研究の注意すべき点──地域差や種差
6 おわりに─生態系管理に向けて
第4章 北海道におけるシマフクロウとヒグマ………竹中健
1 はじめに
2 ブラキストン線を代表する生物
3 アイヌ民族との関わり
4 北海道の開発と生息地の減少
5 シマフクロウの保護
6 シマフクロウの要求する環境とは
7 生息環境の改善の取り組み
8 アンブレラ種としてのシマフクロウ
第5章 市街地とヒグマ………早稲田宏一
1 札幌市における市街地出没
2 市街地出没の背景を探る
3 札幌市におけるヒグマと人の関わりの歴史
4 これからの対策
第Ⅱ部 文化の中のヒグマ
第6章 クマ信仰・儀礼はなぜヒグマで顕著なのか………天野哲也
1 はじめに
2 ホッキョクグマ信仰・儀礼
3 クマ信仰・儀礼の古さ
4 おわりに
第7章「熊送り」の動物考古学………佐藤孝雄
緒言
1 「熊送り」の概要
2 「熊送り」儀礼の考古学的痕跡
3 今後の課題
4 結言──期待される研究の新展開
第8章 口承文芸からみたアイヌ文化のクマ………児島恭子
1 アイヌ口承文芸からクマをみるにあたって
2 動物としてのクマ
3 人を殺すクマ
4 守護神としてのクマ
5 口承文芸の中のクマ
第9章 古文書の中のヒグマ………松本あづさ
はじめに
1 17~18世紀の古文書に記された熊皮・熊胆の利用
2 蝦夷地に滞在した和人の古文書
3 19世紀なかばにおける新たな動向
おわりに
第10章 木彫りとなったヒグマ──八雲町の木彫り熊を中心として………大谷茂之
1 はじめに
2 北海道における木彫り熊の発祥
3 旭川近文アイヌ集落における木彫り熊と,道内の様相
4 おわりに
第Ⅲ部 ヒグマとの共存
第11章 現代社会におけるヒグマ………間野勉
1 春グマ駆除廃止までのヒグマ管理の歴史を振り返る
2 春グマ駆除廃止前後のヒグマ管理
3 ヒグマという動物
4 事件に学ぶヒグマ管理の考え方
5 渡島半島地域ヒグマ保護管理計画の策定
6 特定鳥獣管理計画へ
7 交通安全対策に学ぶヒグマ対策
第12章 この土地を理解する鍵としてのヒグマ………伊藤健次
1 フィールドでヒグマと出会う
2 野生という存在
3 人の記憶・土地の記憶
4 海と森をつなぐもの
第13章 ヒグマの生活史──飼育と観察記録からの探求………前田菜穂子
1 飼育の歴史
2 のぼりべつクマ牧場での研究の歴史と社会的背景
3 繁殖の記録
4 野外で冬ごもりの実験
5 ヒグマの成長と体測定値
第14章 動物園におけるクマ類の飼育管理と種の保存………福井大祐
1 はじめに
2 動物園で学ぶクマ類の生物学
3 動物園におけるクマ類の個体群管理と種の保存
4 クマ類の飼育管理とアニマルウェルフェア
5 クマ類の疾病、感染症と保全
6 おわりに
第15章 ヒグマを通して自然を学ぶ………表渓太
1 はじめに
2 ヒグマとインタープリテーション
3 博物館でのインタープリテーション
4 ヒグマを観察する
5 ヒグマの痕跡を読み解く
6 安全管理
終 章──これからのヒグマ学………増田隆一
1 北海道から発信する「ヒグマ学」
2 新しい視野を開く学際研究
3 「ヒグマ学」の未来
おわりに
索 引
執筆者紹介