古代キリスト教研究論集
著:戸田 聡
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内容紹介
新約聖書で最初にできたのは『マルコ福音書』ではなく『マタイ福音書』である;仮説の「Q資料」など存在しない;1945年発見の外典『トマス福音書』の原語は?などなど―通説への挑戦の書がここに誕生! 『トマス福音書』新訳を収録。
目次
第1部 聖書(旧約・新約)とその周辺
第1章 共観福音書問題のための覚書
1 はじめに
2 ルカは自分の福音書を書く際に何を手にしていたか?
3 使徒パウロは何に拠ってイエスの言行を知ったか?
4 共観福音書問題の検討
5 結 論
第2章 『トマスによる福音書』における弟子イメージ
1 はじめに
2 分 析
3 終わりに
第3章 聖書解釈をめぐる若干の考察
1 はじめに
2 「賢い」蛇?(創世記3章)
3 論争の天才イエス、自分の言葉に足を掬われる(マタイ15章)
4 故郷で神の国を宣べ伝える(ルカ9章)
5 終わりに
第4章 巨大な地下迷宮?──ディアテッサロン再論
1 はじめに
2 ディアテッサロンの西方伝承?
3 ディアテッサロンの東方伝承
4 ディアテッサロンの著作(編纂)原語
5 結 論
第5章 『エウセビオスのカノン』に見る福音書理解
1 『エウセビオスのカノン』に関するこれまでの研究
2 検 討
3 終わりに
第6章 【翻訳】『トマスによる福音書』
『トマスによる福音書』
第7章 『トマスによる福音書』をめぐる諸問題
1 はじめに
2 『トマス』の著作原語
3 『トマス』の著作年代、或いは『トマス』と共観福音書の関係
4 『トマス』の傾向性、そして再び著作年代
5 結 論
第8章 福音書正典/外典に見るイエス像──古典としての聖書
1 はじめに
2 福音書正典/外典に見るイエス像
3 結びに代えて
【補論】メシア(キリスト)に対するイエス自身の関心のありようについて
【書評】秦剛平/守屋彰夫編『古代世界におけるモーセ五書の伝承』
【書評】田川建三訳著『新約聖書 訳と註』
第2部 古代キリスト教
第1章 最初期のキリスト教をどう理解するか──Daniélouの所説の射程
1 はじめに
2 Jean Daniélou(1905-1974)
3 最初期のキリスト教に関するDaniélouの所説
4 ユダヤ的キリスト教に関するDaniélouの所説の問題点
5 ユダヤ的キリスト教以前の段階に関するDaniélouの議論
6 終わりに──Daniélouの議論をどう評価するか?
第2章 いわゆる「キリスト教のギリシア化」をめぐって
1 「キリスト教のギリシア化」という問題
2 「キリスト教のギリシア化」にはどういう意味がありうるか?
3 「キリスト教のギリシア化」の到達点
4 何が「キリスト教のギリシア化」の展開を決定づけたか?
5 終わりに
第3章 初期キリスト教と聖書翻訳
1 はじめに
2 シリア語訳
3 コプト語訳
4 アルメニア語訳
5 グルジア語訳
6 エチオピア語訳
7 終わりに──聖書のアラビア語訳をめぐって
【書評】マルクシース『グノーシス』
【書評】POUDERON, Les apologistes grecs du IIe siecle
【書評】グニルカ『コーランの中のキリスト教』
初出一覧
あとがき
研究者人名索引