危機の中のEU経済統合
ユーロ危機、社会的排除、ブレグジット
編著:嶋田 巧
編著:高屋 定美
編著:棚池 康信
内容紹介
EUは2016年に深刻な危機を迎えた。たびたびの危機を乗り越えて統合を強めてきたEUだが、英国のEU離脱(ブレグジット)と、それを生み出した要因への対応の、どこに問題があったのだろうか。本書はブレグジットで顕在化した反EU運動の中で露呈したEU危機の経済要因だけでなく、社会的要因も分析する。その上で、今後のEUのめざすべき道を探る。
目次
序 章
補 遺 「関西EU 研究会」について
第Ⅰ部 経済通貨同盟の問題点と課題
第1章 EU 財政ガバナンスの問題と新たな展開─緊縮財政は何をもたらし、何をもたらさなかったのか
第2章 ECB の金融政策と企業の資金調達─金融政策は成長の基盤となりえたのか?
第3章 ECB の非標準的金融政策の効果と副作用─量的緩和政策は実体経済にどのような効果をもたらしたか?
第4章 EU における産業集積と地域間格差─「同盟の地域的結束」は実現できるのか?
第Ⅱ部 社会的欧州の現実と課題
第5章 社会的欧州の理念と現実─社会的欧州は存在しているのか
第6章 社会的排除と社会的包摂─欧州社会政策は社会的包摂を推進できたのか
第7章 単一市場と労働問題─社会的規制は単一市場の発展に役立つか?
第8章 季節労働者指令の採択の意味─欧州統合は農業部門の労働環境を改善したのか
第9章 ユーロ周辺国における団体交渉システムの改革─危機の中での改革によってアングロ・サクソンモデルへ収斂したのか
第Ⅲ部 反EU・反移民勢力の台頭とBrexit 後の欧州統合の課題
第10章 フランスの極右,国民戦線─ポピュリスムはなぜ支持を拡大するのか?
第11章 EU の移民アジェンダの理想と現実─ EU は難民を受け入れられるのか?
第12章 イギリスの移民政策とBrexit の選択─なぜイギリスはEU 離脱を選択したのか
第13章 ポストBrexit のイギリスのFTA 政策─ EU 離脱交渉はソフトランディングするのか
第14章 ポストBrexit のEU メガFTA 政策─ EU 共通通商政策は欧州的価値を実現するのか?
第15章 ポストBrexit のシティとEU 金融市場─ Brexit はシティを衰退させるのか?
ISBN:9784830949845
。出版社:文眞堂
。判型:A5
。ページ数:305ページ
。定価:3000円(本体)
。発行年月日:2018年03月
。発売日:2018年04月16日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KCL。