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昭和戦前期、戦時下の貴族院の雰囲気を伝える貴重な回顧談、聞き取り記録

尚友倶楽部、霞会館によって聴取・収集された貴族院議員経験者、貴族院事務局関係者、旧華族、学習院関係者など39人の当事者の回顧談・記録は、貴族院や華族制度の歴史的研究に必須の貴重な史料。

公侯爵によって結成された「火曜会」、尚友会という選挙母体を有し、特に子爵選挙で圧倒的な強さを誇る貴族院内の最大会派「研究会」、男爵を中心とし「一人一党主義」を標榜していた「公正会」、戦後、参議院の非政党化を模索した会派「緑風会」……。貴族院の有力会派に関する情報は豊富。
《公爵議員》
岩倉具榮　談／島津忠承　談／二條弼基　談／桂廣太郎・池田宣政（侯爵）談
《侯爵議員》
池田德眞　談／黒田長禮　記／久我通顕　談／中山輔親　記
《伯爵議員》
久松定武　談／廣橋眞光　談
《子爵議員》
稻垣長賢　談／岡部長景　談／土岐　章　談／松平銑之助　談／松平忠壽　談
《男爵議員》
内田敏雄　談／島津忠彦　談／中村貫之　談／坊城俊賢　談／松平齊光　記／宮原　旭　談／向山　均　談
《勅選議員》
堀切善次郎　談／松本　学　談
《多額納税者議員》
秋田三一　談／栗林徳一　談
《伯爵徳川宗敬・貴族院事務局関係》
徳川宗敬並びに旧貴族院事務局書記官　談／徳川宗敬並びに貴族院・参議院事務局関係者　談
《旧貴族院・華族関係者》
吉井千代田　談／山田長蔵　談／横田正俊　講演記録

【解説】談話記録から見た貴族院・参議院の政治会派について（小林和幸）

編者
一般社団法人 尚友倶楽部
1928年（昭和3年）設立の公益事業団体。旧貴族院の会派「研究会」所属議員により、相互の親睦、公益への奉仕のため設立。戦後、純然たる公益法人として再出発し、学術研究助成、日本近代史関係資料の調査・研究・公刊、国際公益事業、社会福祉事業の支援などに取り組んでいる。「尚友叢書」既刊51冊、「尚友ブックレット」既刊39冊。

小林 和幸（こばやし かずゆき）
1961年長野県生まれ。青山学院大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学後、同大学文学部助手、宮内庁書陵部主任研究官、駒澤大学文学部助教授などを経て、2006年より青山学院大学文学部教授。博士(歴史学)。
主な著書：『明治立憲政治と貴族院』（吉川弘文館、2002年）、『谷干城―憂国の明治人』(中央公論新社、2011年)、『国民主義の時代』（角川選書、2017年）、『近現代日本 選択の瞬間』（編著、有志舎、2016年）、『明治史講義』テーマ編（編著、ちくま新書、2018年）、『明治史研究の最前線』（編著、筑摩選書、2020年）、『…

《公爵議員》
岩倉具榮　談（火曜会、憲法審議での発言、岩倉家に関して）
島津忠承　談（火曜会の活動、日本赤十字社の戦中・戦後）
二條弼基　談（火曜会の役割、ＴＶの研究、憲法改正、堂上会、伊勢神宮）
桂廣太郎・池田宣政（侯爵）談（火曜会の運営、委員会活動、十四会の東条倒閣、憲法改正特別委員会委員長について）
《侯爵議員》
池田德眞　談（曾祖父池田慶徳、祖父徳川慶喜と私）
黒田長禮　記（火曜会、委員長指名のこと）
久我通顕　談（火曜会から交友倶楽部へ、政友会議員との交流、久我通久のこと）
中山輔親　記（近衛公との関係、火曜会結成の事情、五・一五事件、傷痍軍人工場、東条内閣から終戦、戦後の貴族院）
《伯爵議員》
久松定武　談（議事堂空襲、戦後巡行、天皇制議論憲法問題、参議院の緑風会、ルーズヴェルト夫人）
廣橋眞光　談（内務省時代、東条首相秘書官時代）
《子爵議員》
稻垣長賢　談（議員就任までの経歴、子爵選挙、委員会活動 ）
岡部長景　談（貴族院改革と研究会、十一会と朝飯会、陸軍政務次官）
土岐　章　談（中国における資源調査、ゴーストップ事件、陸軍参与官、陸軍次官、二・二六事件）
松平銑之助　談（紅葉館（能楽堂）・衆議院事務局）
松平忠壽　談（研究会幹事、尚友倶楽部、日露戦争のこと）
《男爵議員》
内田敏雄　談（公正会と選挙母体の協同会、請願委員会）
島津忠彦　談（男爵議員選挙と公正会、戦時下の議会、皇軍慰問団、貴族院と参議院「緑風会」）
中村貫之　談（戦後の貴族院、男爵議員と公正会、新憲法と軍備廃止問題）
坊城俊賢　談（公正会の幹事会、十四会と東条倒閣運動、翼賛政治会と米穀調達、憲法改正特別委員会委員長、昭和会館・協同会・公正会）
松平齊光　記（憲法改正と国体変更の議論）
宮原　旭　談（男爵議員として選出、公正会の人物と「一人一党主義」、昭和会館の復興）
向山　均　談（貴族院議員就任前の経歴、公正会、海軍と陸軍）
《勅選議員》
堀切善次郎　談（大政翼賛会、公安委員会、憲法改正と選挙法改正、斎藤実内閣の頃）
松本　学　談（宇垣一成との出会い、共産党の検挙、熱海事件、憲法に示された皇室と皇室財産、主権在民の解釈、憲法観、戦争放棄と憲法第九条）
《多額納税者議員》
秋田三一　談（多額納税者議員と研究会、貴族院の功績と参議院）
栗林徳一　談（事業経歴と後藤新平、ロシアとの関係、多額納税者議員選挙、戦時期の議会）
《伯爵徳川宗敬・貴族院事務局関係》
徳川宗敬並びに旧貴族院事務局書記官　談（貴族院事務局、徳川貴族院副議長時代　難読氏名、速記について、公職追放と事務局、貴族院の資料、憲法改正小委員会、戦中・戦後の議会）
徳川宗敬並びに貴族院・参議院事務局関係者　談（二院制議会、緑風会）
《旧貴族院・華族関係者》
吉井千代田　談（「青票白票」刊行の背景）
山田長蔵　談（渡辺千冬子爵に関する回顧談）
横田正俊　講演記録（乃木院長と学習院の想い出）

【解説】談話記録から見た貴族院・参議院の政治会派について（小林和幸）

編：尚友倶楽部
1928年（昭和3年）設立の公益事業団体。旧貴族院の会派「研究会」所属議員により、相互の親睦、公益への奉仕のため設立。戦後、純然たる公益法人として再出発し、学術研究助成、日本近代史関係資料の調査・研究・公刊、国際公益事業、社会福祉事業の支援などに取り組んでいる。「尚友叢書」既刊51冊、「尚友ブックレット」既刊39冊。

編：小林 和幸
1961年長野県生まれ。青山学院大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学後、同大学文学部助手、宮内庁書陵部主任研究官、駒澤大学文学部助教授などを経て、2006年より青山学院大学文学部教授。博士(歴史学)。
主な著書：『明治立憲政治と貴族院』（吉川弘文館、2002年）、『谷干城―憂国の明治人』(中央公論新社、2011年)、『国民主義の時代』（角川選書、2017年）、『近現代日本 選択の瞬間』（編著、有志舎、2016年）、『明治史講義』テーマ編（編著、ちくま新書、2018年）、『明治史研究の最前線』（編著、筑摩選書、2020年）、『東京10大学の150年史』（編著、筑摩選書、2023年）、『葛藤と模索の明治』（編著、有志舎、2023年）、『山県有朋関係文書』（共編、山川出版社、2005～2008年）、『木戸孝允関係文書』（共編、東京大学出版会、2005年～）、『原田熊雄関係文書』（共編、同成社、2020年）など。