序章
1 作家が前景化する文学
2 作家像の形成の複合的要因と偶発性
3 作品の選択基準と本書の構成
第1部 作品享受の〈場〉の形成と「三島由紀夫」像の承認
第1章 三島文学における戦後の再出発とニーチェ哲学
1 はじめに
2 一九四九年頃の三島文学とニーチェ哲学
3 三島の新たな文学論
4 「夜の車」以降に見られる〈生〉の課題
第2章 『仮面の告白』論(1)
—人間存在の相対性を示唆するエピグラフと、ペシミズムの克服
1 はじめに
2 「私」の葛藤と「不在」の瞬間
3 ペシミスティックな〈生〉の克服
4 浪曼主義的ペシミズムからの脱却
第3章 『仮面の告白』論(2)—〈仮面〉を利用した仮象としての主体の形成
1 はじめに
2 「私」によって分析される〈告白〉
3 仮面の告白
4 〈読者—作品—作者〉間に形成される作家の主体
第4章 〈頼安もの〉「怪物」論—時代性の描出としての怪物的人間の悲劇
1 はじめに
2 時代性の描出という企て
3 怪物斉茂の反時代性と悲劇
4 現在との対峙
第2部 文学論の確立と固定化されない作家像
第5章 〈菊田次郎もの〉論(1)—〈書く人〉次郎による芸術論の展開
1 はじめに
2 ニーチェの『悲劇の誕生』に基づく物語内容
3 時間と空間の超越
4 芸術論の作品化
第6章 〈菊田次郎もの〉論(2)—「旅の墓碑銘」のメタフィクションの意義
1 はじめに
2 『仮面の告白』との差異
3 メタフィクションが読者に投げかける問い
4 メタフィクションの意義
補章 戯曲「癩王のテラス」論—実在性を否定する言葉の遂行力
1 はじめに
2 〈病者〉を描くことの意義
3 三島戯曲における対話の遂行力
4 〈肉体—精神〉の二項対立の解体
終章
1 『太陽と鉄』における作家像の形成にまつわる考察
2 作家像を形成する三島の文学的営為の機序
3 おわりに
謝辞
参考文献一覧
索引