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インテグラル心理学

著:ケン・ウィルバー
訳:門林 奨

紙版

内容紹介

発達段階(レベル)、能力領域(ライン)、意識状態(ステート)、タイプ、
自己(セルフ)、病理、スピリチュアリティ、心身、認知科学、文化、社会システム……

≪すべてのものに正当な居場所を与える。≫

“意識研究のアインシュタイン”ケン・ウィルバーが
心理学の新たな可能性を示す

【“インテグラル心理学”がもたらすもの】
1.多層的で多面的な人の「心」「意識」についての骨格・全体像
2.心理学・心理療法を学ぶうえでの良質な羅針盤
3.「インテグラル理論」の心理的な側面についての学びを深める教科書

「ティール組織」「成人発達理論」そして、「インテグラル理論」は、
私たちに希望をもたらしてくれました。

それは、
「人・組織・社会は、より高次のものへと発達・変容する可能性をもっている」
というものです。

では、実際に、私たちはどのような道筋を通って発達・変容していくのでしょうか?
健全な発達・変容を促すために、一体何ができるのでしょうか?

そのひとつの手がかりとして、
古今東西の人の「心理」「意識」についての洞察・考察を、
統合的な視点で織り上げたのが本書です。

ピアジェ、ロバート・キーガン、カート・フィッシャー、
スザンヌ・クック=グロイター、クレア・グレイブス、
アブラハム・マズロー、エリク・H・エリクソン、エーリッヒ・ノイマン、
ドン・ベック(スパイラル・ダイナミクス)、ルドルフ・シュタイナー、
ビル・トルバート、キャロル・ギリガン、ファウラー、
ハワード・ガードナー、ハーバーマス、ボールドウィン 等

――こうしたさまざまな卓越した理論モデルの本質的な洞察を包含し、
ひとつに結び合わせることで、
心の複雑さと可能性を読み解く「統合的心理学」
の可能性を示します。

目次

第1部 基本となる要素
第1章 段階とは何か――大いなる入れ子、構造と状態、認知の発達
第2章 ラインとは何か――統合的サイコグラフ、ヒエラルキーとヘテラルキー
第3章 自己とは何か――近接自己と遠隔自己、支点と重心、自己の機能
第4章 自己に関わる諸段階の発達――自己の発達、道徳と支点の発達、タイプ論
第2部 統合的アプローチへの道
第5章 近代とは何か――価値領域の差異化と分離
第6章 近代と前-近代を結びつける――フラットランドから「全象限、全レベル」へ
第7章 統合的アプローチへの道――近現代の先駆者たち
第3部 インテグラル心理学の概要
第8章 自己の発達――各段階での典型的な病理とセラピー、サブパーソナリティ、統合的実践
第9章 各ラインの発達――道徳、動機づけ、世界観、感情、ジェンダー、美、複数の認知、複数の自己
第10章 スピリチュアリティは段階的に発達していくか――5つの定義と5つの答え
第11章 子ども期のスピリチュアリティは存在するか――たなびく栄光の雲
第12章 社会と文化の発達――進化に関する5つの原則
第13章 後-近代とは何か――解釈と構築、文脈とホロン、非視点性
第14章 心身問題を解きほぐす――意識研究への一人称的、二人称的、三人称的アプローチ
第15章 統合的な抱擁へ向けて

巻末図表
 ・ウィルバーの理論モデル
 ・他の理論モデルにおける基本的な諸段階
 ・認知の発達
 ・自己関連ラインの発達
 ・自己関連ライン(道徳および視点)の発達
 ・スピリチュアリティの諸段階
 ・さまざまな発達領域
 ・他の発達領域
 ・社会と文化の発達
 ・ハーバーマスの理論モデルにおける諸段階
 ・ボールドウィンの理論モデルにおける諸段階

著者略歴

著:ケン・ウィルバー
1949年、米国オクラホマ州に生まれる。最初の著作『意識のスペクトル』以来、
トランスパーソナル心理学の代表的な理論家として知られるようになる。
その後、大著『進化の構造』とそれに続く一連の著作群を通して、
自らの思想を文明論的なものへと拡張し、
現在はインテグラル理論(インテグラル思想、統合哲学)の提唱者として認知されている。
その革新的な業績から「意識研究のアインシュタイン」あるいは
「現代の最も重要な思想家の一人」とも呼ばれ、
米国元副大統領アル・ゴアもウィルバーの著作を愛読しているとされる。
映画「マトリックス」のコメンタリーを担当するなど、著名人との交流も多い。
著書の数は20以上に及び、世界中の言語に翻訳されている。
邦訳書は上記のほかに『インテグラル理論』『インテグラル理論を体感する』
『INTEGRAL LIFE PRACTICE』『無境界』『ワン・テイスト』『万物の歴史』など多数。
訳:門林 奨
1988 年生まれ、大阪府堺市出身。京都大学理学部卒(地球物理学)、同大学院教育学研究科修士課程修了(臨床教育学)。
学生時代、関西でウィルバーとインテグラル理論に関する研究会を主催し、
さまざまな職業や境遇の人と交流する。
卒業後、京都市内の高校で数学および物理の教員として3年間勤務するが、
自らの目指す理想を共有するための日本語の情報源がほとんどないことに直面し、離職。
現在はインテグラル理論や発達理論の分野を中心に、英語文献の翻訳をおこなっている。
翻訳書に『インテグラル理論:多様で複雑な世界を読み解く新次元の成長モデル』(日本能率協会マネジメントセンター)
『インテグラル理論を体感する:統合的成長のためのマインドフルネス論』(コスモス・ライブラリー)、
翻訳論文に「自我の発達:包容力を増してゆく9つの段階」(日本トランスパーソナル学会)。

ISBN:9784820728498
出版社:日本能率協会マネジメントセンター
判型:A5
ページ数:720ページ
定価:4400円(本体)
発行年月日:2021年01月
発売日:2021年02月01日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VXP