序章 死という経験
——情動(アフェクトゥス)論からの探求
[西井凉子]
1 死という根源的経験
2 死の人類学研究における本書の位置づけ
3 情動論(アフェクトゥス)的視座から
4 本書の構成
Ⅰ 死のマテリアリティ
1章 そのご遺体はナマです
——葬儀業の仕事にみるナマ感覚のアンビヴァレンス
[田中大介]
1 ナマの遺体
2 予察
3 遺体と向き合う流儀
4 死者の人格
5 身体とモノの境界線
6 そこにある、ということ
2章 死者の「顔」と出会い直す
——現代のデスマスクをめぐって[高木良子]
1 デスマスクの歴史と顔
2 現代日本のデスマスク
3 調査の対象と方法
4 現代のデスマスクをめぐる人々
5 デスマスクの身体性
6 死者の所有
Ⅱ 身体と生きる場
3章 なぜ住み慣れた地域で最期を迎えたいのか
——沖縄・池間島における生と死の潜在性
[加賀谷真梨]
1 「住み慣れた地域でいつまでも」をめぐる問い
2 島で暮らし続けるための仕組みづくり
3 「見えない」なかで「視る」くらし
4 大気の問いかけ――空間的実践としての禁忌
5 住み慣れた地域で最期を迎えるとは
4章 家族水入らずのバーチャル葬儀
[瓜生大輔]
1 祖母との「対面」
2 バーチャル葬儀の動向
3 S家葬儀の背景
4 S家のバーチャル葬儀
5 バーチャル葬儀のゆくえ
6 遺族と事業者の協働によるバーチャル葬儀
エッセイ1 死と音楽のアフェクト
[田井みのり]
1 ある葬儀について
2 生者と死者を媒介する音楽のアフェクト
3 セレモニプレイヤーの紡ぐ音と死者とのアフェクトの連鎖
Ⅲ 死をめぐる個と集合性
5章 喪輿小屋で「昇華」される死
——死の集合性と物質性に関する考察
[金セッピョル]
1 喪輿小屋がある風景
2 喪輿小屋とアフェクトする
3 喪輿小屋にみる死の集合性と物質性
6章 津波による〈死者〉とともに創りつなぐ表現の形
[丹羽朋子]
1 遠い死/死者をめぐる問い
2 津波による〈死者〉との隔たりに向き合う
3 災禍の〈死者〉をうつす表現の課題
4 死者と生者の生きる世界の切り分けに抗して
5 見えざる〈死者〉にふれる弔いの形
6 〈死者〉とともに綴る手紙
7 「生ける死者」とともに創りつなぐ表現の形
7章 民主化運動における「死」
——ソーシャルメディアと情動
[土佐桂子]
1 死を伝えること、そして情動的公共
2 抗議運動における死と弔い方、そして暴力
3 死者を記憶する、死者と向き合う
4 慣習仏教実践の否定、あるいは延期
5 死者によりそうこと
エッセイ2 カオ・トムの記憶
——現在に潜在する死者たち
[西井凉子]
1 はじめに
2 「不在の穴」
3 タイ社会における事件の位置づけ
4 その後のウィットの来歴
5 トラウマと時間性
6 現在に潜在する死者たち
Ⅳ 死と時間性——死者とともにあること
8章 言葉が言葉でなくなる時
——語りを引き継ぎ、死者とともに生きることについての一考察
[磯野真穂]
1 心に残る言葉とは何か――本章の立ち位置
2 宮野の生前――言葉に打ちのめされる時
3 意図から考える心に残る言葉――文脈共有の不可能性
4 宮野の死後――心に残る言葉の不可知性とその価値
5 死者とともに生きるということ
9章 悲嘆の自然誌
[黒田末寿]
1 喪失による悲嘆の普遍性
2 悲嘆にならない悲嘆
3 悲嘆の共有の言葉
4 動物たちの喪失の悲嘆
5 進む動物の理解と人獣の境界の解消
6 悲嘆の歯止め
7 ボノボの子どもの感覚遮断
8 悲嘆を生き延びる「ひとなつっこさ」ないし「頼る力」
終章 死を感受する
——情動(アフェクトゥス)論的フィールドワークが拓く世界
[西井凉子]
1 情動(アフェクト)論的視座から
2 死のマテリアリティ
3 身体とバーチャリティ
4 死をめぐる個と集合性
5 死と時間性
6 死者とともにあること―生きる世界における死者