はじめに
第1部 海鳥の減少とその原因
1章 海鳥の歴史
1 人間の分布拡大と海鳥の絶滅
2 日本における海鳥の固有性と現状
3 海鳥の個体数減少は食い止められていない
2章 減少と絶滅のさまざまな原因
1 海鳥が人間活動に起因するストレスに対して脆弱な理由
2 気候変化が魚資源量や分布を変え海鳥に影響する
3 人間活動に起因する三つのストレス
4 南アフリカのケープペンギンの場合
第2部 漁業活動の影響
3章 混獲の実態と解決策
1 刺網漁による海鳥の混獲とその死亡数
2 延縄漁による海鳥の混獲とその死亡数
3 刺網による混獲のインパクト
4 延縄漁の混獲によるインパクト
5 混獲率低減手法の開発
6 混獲回避措置はインパクトを減らしているのか?
コラム① 日本のマグロ延縄漁業と海鳥混獲
4章 投棄魚が変える海鳥の生活
1 漁業廃棄物としての投棄魚の量
2 海表面ついばみ・拾い食い採食をする種が投棄魚に依存する割合
3 投棄魚が支えうる海鳥の個体数
4 投棄魚は海表面ついばみ・拾い食い種個体群に有利に働く
5 他の海鳥種へのインパクト
6 漁業廃棄物投棄の禁止の影響
コラム② 投棄魚利用の種間、オス・メス、個体間の差
5章 糧秣魚類資源をめぐる海鳥と漁業の競争
1 南極半島とペルーの事例
2 糧秣魚類資源量と海鳥の繁殖成績の関係――三分の一ルール
3 禁漁による競争緩和
4 漁業によって採食行動が影響を受ける
5 競争者としてのクジラとマグロ
第3部 海洋汚染の影響
6章 重油流出事故
1 世界最大の人為的環境破壊
2 流出した油が海鳥個体に与える影響
3 重油流出事故が海鳥個体群に与えるインパクト
4 油汚染に暴露された海鳥個体の救護・リハビリ・放鳥は野外復帰につながるか?
コラム③ 島根沖で沈没したナホトカ号からの油流出
7章 化学汚染物質の影響
1 DDEにより卵殻厚が薄くなる
2 POPs がもたらす胚発生異常
3 化学汚染物質の間接的な三つの影響
4 他のストレスとの相乗効果
5 化学汚染物質の個体群へのインパクト
コラム④ 鉛弾による鳥類の中毒
8章 海洋プラスチックの影響
1 海鳥の特性がプラスチック摂取に関係?
2 プラスチックは消化阻害や食欲減退を引き起こす?
3 プラスチックを介した化学汚染物質の取り込み
第4部 繁殖地および海岸におけるかく乱
9章 繁殖地での狩猟
1 オオウミガラス絶滅の歴史
2 日本固有種のアホウドリへの商業的利用のインパクト
3 ミズナギドリ科雛の狩猟管理による持続的利用
10章 人間が持ち込んだ捕食者
1 キツネとネコによるインパクト
2 人間の入植で持ち込まれたネズミによる影響
3 ネコ・ネズミ類の駆除の手法と他の生物への影響
4 外来性哺乳類駆除の効果
5 捕食者としてのカモメの駆除をどう考えるか
コラム⑤ 天売島のノネコ問題
11章 照明がもたらす光汚染
1 海鳥を引き寄せる人工光
2 光誘引による落鳥
3 対策は光のコントロール
コラム⑥ 港の光照明がもたらす生態系の変化
12章 洋上風力発電の潜在的影響と事前回避
1 風車への海鳥の衝突
2 風車への衝突リスクと発電施設からの回避リスク
3 感受性マップによってあらかじめリスクの高い場所を知る
4 GPSトラッキングでわかる衝突リスクが高い場所
コラム⑦ ウミネコのGPSトラッキングの研究例
第5部 海鳥保全の具体的取り組み
13章 導入と再導入
1 積極的保全がなぜ必要か
2 デコイ(おとり模型)や音声による社会的誘引
3 雛移送による導入と再導入の手法
4 戦略的保全
コラム⑧ 天売島のウミガラスの保全
14章 海鳥保全のためのリスクマップ
1 混獲リスクの高い海域の発見
2 海洋環境の変化に対応した高リスク海域の推定
3 性・年齢による利用海域の差が個体群へのインパクトに影響する
4 さまざまなストレスに対するリスクマップ
第6部 海鳥を利用した海洋生態系の監視
15章 海鳥を指標とした海洋保護区
1 海鳥が可能にする重要海域の選定
2 重要海域選定のため海鳥の分布を調べる
16章 海洋汚染の指標としての海鳥
1 化学汚染の年代変化を海鳥の体組織から知る
2 海鳥の胃中のプラスチックは汚染の加速を示す
3 海鳥の尾脂腺分泌物が示す地球規模の汚染拡大
4 汚染物質の代謝の違いによるバイアス
5 サンプルによるプラスチック摂取のバイアス
コラム⑨ バイオロギングを利用した海洋汚染の地図化
17章 環境変化のシグナルとしての海鳥
1 海洋監視に海鳥を使う理由
2 健康指標の定義と活用
3 基準値を決めるのは簡単ではない
あとがき
引用文献
事項索引
鳥名索引
付表