『変わる福祉社会の論点〔第4版〕』
増田幸弘・三輪まどか・根岸 忠 編
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【執筆者紹介】(掲載順,*は編者)
*根岸 忠(ねぎし ただし):専修大学准教授
Ⅰ[総論・4],Ⅲ[総論・1・2・4]
新田秀樹(にった ひでき):中央大学教授
Ⅰ[1・5],Ⅳ[6]
*三輪まどか(みわ まどか):南山大学教授
Ⅰ[2],Ⅱ[2],Ⅳ[2],Ⅴ[総論・2]
原田啓一郎(はらだ けいいちろう):駒澤大学教授
Ⅰ[3],Ⅲ[6],Ⅳ[5]
* 増田幸弘(ますだ ゆきひろ):日本女子大学教授
Ⅰ[6],Ⅱ[総論・1],Ⅳ[総論・4]
付 月(ふう ゆえ):茨城大学准教授
Ⅱ[3・6]
諏佐ランカ(すさ らんか):神戸女子大学非常勤講師,ヨハネス・グーテンベ
ルク大学マインツ法学部博士課程
Ⅱ[4],Ⅴ[1]
橋爪幸代(はしづめ さちよ):日本大学教授
Ⅱ[5]
小西啓文(こにし ひろふみ):明治大学教授
Ⅲ[3・5],Ⅳ[3]
廣田久美子(ひろた くみこ):福岡県立大学准教授
Ⅳ[1],Ⅴ[5]
脇野幸太郎(わきの こうたろう):周南公立大学教授
Ⅴ[3・4・6]
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【目 次】
・第4版 はしがき/はしがき(初版)
◇ORIENTATION
◆Ⅰ 地域が変わる
◇地域がどう変わったのか,変わるのか
地域の現状
地域と災害
移住と地域活性化
地域とケア
◇1 マイナ保険証は役に立つ?―デジタル化と社会保障
デジタル化とは
デジタル化進展の経緯
医療・介護のデジタル化
社会保障のデジタル化のメリット
社会保障のデジタル化の課題
◇2 国としての「もしものとき」の備え―災害に関わる制度と社会保障制度
平成の災害
日本の災害をめぐる法制度
災害発生から復旧・復興過程における問題とニーズ
災害の多い国における「支え」としての社会保障制度の在り方
◇3 住宅政策と福祉政策―マイホーム神話から高齢者の地域居住へ
住宅すごろく
持家社会とマイホーム神話
マイホーム神話のいま
住宅政策と福祉政策の接近
住宅セーフティネット
住居確保のための経済的支援
居住支援
地域居住の継続と地域包括ケアシステム
◇4 止まらない人口減少,どうすればいい?―地方創生と観光による地域活性化
人口減少社会と地方
「地方創生」をめぐる政策
「地方創生2.0」の始動
観光と地域活性化
◇5 支え合いによる地域の創生―地域包括ケアシステムから地域共生社会へ
地域包括ケアシステムとは
地域包括ケアシステムの仕組み
地域共生社会への歩み
認知症施策と孤独・孤独対策の推進
支え合いによる地域づくりをめざして
◇6 インクルーシブでアクセスシブルなコミュニティの環境―WHOが提唱するエイジフレンドリーシティの構想
ソウルで久し振りにカササギと出会う
AFCCとアクティブ・エイジング
AFCCの構想の政策枠組
AFCCの構想の実施手法
国境を超えた学び合いと連携のネットワーク
GNAFCCのアフィリエイト
冬のカササギ
◆Ⅱ 家族が変わる
◇家族がどう変わったのか,変わるのか
家族が変わる
結婚する―婚姻の成立
内縁(事実婚)の関係
離婚する―婚姻の解消
親子関係の成立と届出
親による子への体罰
◇1 配偶者って何だろう―同性カップルと社会保障
オスカー・ワイルドの投獄
自由権規約委員会の懸念
“To define is to limit.”
これからの課題
◇2 同じ氏が家族の証なの?―選択的夫婦別姓制度導入の是非
夫婦同氏の原則
どのような不利益が及ぶのか
夫婦同氏制の成り立ちと改正の動き
夫婦同氏制をめぐる裁判―問われたものは何か
子の利益とは何か
氏が家族を示すのか?―家族とは何だろうか
◇3 無戸籍児―戸籍制度と夫婦同氏原則の犠牲者
戸籍とは―「日本人」の身分登録簿
出生後直ちに登録される権利―子どもの人権
無戸籍児とその直面する問題
「無戸籍児」になる原因―出生の未届出,「日本人」と未認識
「無戸籍児」問題の解消に向けて―2022年の民法改正
無戸籍児問題の根源―戸籍制度と夫婦同氏原則
無戸籍児問題の解消へ―子どもの権利保障のために
◇4 共同親権―離婚後も二人で子どもを育てる
親権について考える
現在の親権制度とその問題点
諸外国の親権制度
今後施行される共同親権について
共同親権の利点と考えられうる問題点
まとめ
◇5 しつけか,体罰か?―親による子の体罰禁止,虐待防止
2019年児童福祉法等改正の経緯
体罰等が子どもの心身に与える影響
日本における体罰に関する意識と国際的な動き
体罰の考え方・範囲
体罰禁止を実現するための支援体制
◇6 無国籍児―国籍法の不備
国籍とは―あって当たり前のもの(=人権)
無国籍児とは―日本国籍と外国国籍のいずれも,もっていない子どもたち
日本の国籍法―「国民」たる地位の取得と喪失
日本生まれの無国籍児―法の狭間に陥ったAさん
無国籍児/者の直面する問題①―日本国籍を有しないことの意味
無国籍児/者の直面する問題②―どこの国の国籍も有しないことの意味
無国籍児/者の直面する問題③―自分でも気づかない・見えにくい無国籍問題
考えてみよう―無国籍を防止し,すべての子どもの国籍取得権の保障のために
◆Ⅲ 働き方が変わる
◇働き方がどう変わったのか,変わるのか
よい職場とは?
人手不足の解消と新しい働き手の参入
障害者の就労
◇1 人が定着する職場ってどんなところ?―ハラスメント対策とワーク・ライフ・バランス
退職と転職のいま
働きやすい職場
ハラスメント対策
カスタマーハラスメントへの対応
ワーク・ライフ・バランスの展開―育児休業に焦点をあてて
働きやすい職場に向けて
◇2 働き方はどう変わる?―非正規雇用,フリーランスの増加と処遇の格差
働き方はどう変わるのか
非正規労働者の増加
同一労働同一賃金原則・均等待遇原則
フリーランスの増加
被用者保険の適用拡大・複数就業者への適用
処遇の格差の是正に向けて
◇3 労災補償も社会保障?―過労死・過労自殺から考える労災保険制度
電通における2件の過労自殺
労働基準法と労災保険法の関係
労災保険法と業務上外認定
いわゆる過労自殺と電通事件
過労死・過労自殺と「働き方改革」の功罪
◇4 外国人労働者にはどのような保護がなされているの?―外国人労働者受入れ施策とその概要
増加している外国人労働者
外国人労働者の現況
これまでの外国人労働者政策
近年の外国人労働者政策
外国人労働者保護政策の現状およびそのあり方
外国人労働者受入れ政策の今後
◇5 障害のある人の働きやすい環境とは?―「合理的配慮」からみた「社会的包摂」のあり方
国連障害者権利条約のインパクト
障害者雇用における議論
従来の障害者雇用施策
あるべき「合理的配慮」とは?
障害者の「統合」か,「包摂」か
◇6 AI×ロボット時代と社会保障―AI×ロボットとともに創る未来
AI×ロボットが雇用を揺るがす?
AI×ロボットの展開により働き方が大きく変わる
AI×ロボット時代に直面する社会保障制度
AI×ロボット時代の社会保障制度への議論に向けて
社会保障・福祉領域におけるAI×ロボットの利活用の可能性
◆Ⅳ 医療が変わる
◇医療がどう変わったのか,変わるのか
6つの論稿の位置づけ
本人の意思の尊重
医療提供体制
治療と仕事の両立支援
疾病構造の変化と予防の重視
感染症対策
◇1 医師と患者の関係―インフォームド・コンセントとインフォームド・アセント
自分の身体のことは自分で決める権利がある
認知症高齢者のインフォームド・コンセント
精神障害者とインフォームド・コンセント
今後のインフォームド・コンセントのあり方
◇2 自分らしい最期の迎え方―終末期医療における高齢者と家族
「終活」ブームと医療
意に沿う最期―尊厳死と平穏死
死ぬに死ねない事情
人生の最期を決めるのは自分
◇3 医師の働き方改革―医師の労働環境と医療保障の両立
医師は労働者か?
医師聖職論
医師の労働環境と医療保障の両立
「医師の働き方改革」について
憲法25条と「医療を受ける権利」の保障をめぐって
◇4 白衣を着たうさぎ―治療と仕事の両立支援
チョッキを着た白うさぎ
白衣を着た白うさぎ
トライアングル型支援―主治医・産業医(企業)・患者(家族)をつなぐ
産業医の職務―労働の現場で活動する白衣を着たちりょうささん
勧告・助言・意見の尊重―労働の現場で活動する白衣を着たちりょうささんの権限等
情報の共有と個人情報の保護
治療と仕事の両立支援から産業ソーシャルワークへ
◇5 健康づくり・介護予防と社会保障―予防重視型システムの展開とこれから
健康と予防への関心の高まり
医療保険制度における予防・健康づくりの推進
介護保険制度における介護予防の推進
高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施
健康・医療・介護情報の利活用
予防重視型システムの特徴
健康の自己責任論と予防重視型システム
予防重視型システムとmHealth
予防重視型システムの行き着く先?―社会保障財源としての悪行税(Sin tax)
◇6 新型コロナ禍の前と後―パンデミックと医療
新型コロナ禍のインパクト
新型コロナ禍と医療
新型コロナ禍後に向けての制度的対応―感染症医療提供体制の確保
新型コロナ禍後に向けてのその他の対応
次のパンデミックに備えて
◆Ⅴ 福祉が変わる
◇福祉がどう変わったのか,変わるのか
対象別福祉の限界
“地域共生社会”の登場
地域生活課題とその具体的対応
◇1 子どもをめぐる政策―「こどもまんなか社会」を目指して
子どもに対する様々な支援
子どもの貧困
子どもにまつわる経済的支援
「こどもまんなか社会」を目指して
こども未来戦略―子どもをめぐる政策と今後について
まとめ
◇2 日常の/非日常の“Stay (at) home”―8050中高年のひきこもり問題
コロナ禍での“Stay (at) home”
ひきこもりの現状
ひきこもりの分類と派生する問題
解決のための試みと限界
ひきこもる自由
◇3 高齢者の生活基盤はどこに?―公的年金と生活保護
高齢者の増加と高齢者世帯の所得
公的年金制度と高齢者の所得保障
生活保護≒年金?―生活保護受給者の高齢化と受給期間の長期化
2025年年金制度改革関連法
「救世主」はいるのか?―日本の所得保障の今後
◇4 「介護はきつい」は本当?―介護の担い手の多様化
介護・福祉人材をめぐる状況
介護職員の処遇とキャリアアップ
外国人人材の受入れ
介護ロボットの導入・普及
◇5 出所したらどう暮らすの?―元受刑者と社会的支援(出所後の処遇について)
問題の所在―なぜ支援をする必要があるのか
高齢者・障害者と犯罪
出所後の社会的支援
住居確保と就労支援
「入口支援」とは
今後に向けて―地域共生社会と出所者支援
◇6 真のノーマライゼーションとは?―精神障害者の地域移行
精神障害者の現状
日本の精神保健医療福祉の歴史的経緯
地域移行に向けたより具体的な動き―「精神保健医療福祉の改革ビジョン」
誰のための,何のための「地域移行」か―真のノーマライゼーションとは