イントロダクション コロナ・パンデミック
それは武漢から始まった
二〇二〇年一月、ダボス会議
若き眼科医の警告と死
世界の物語を中国共産党が書き替える
アメリカの機能不全、中国の「成功」
パンデミックこそ中国が攻勢に転じる好機
世界最大の中国市場へのアクセスを「兵器化」
民主主義的エコノミック・ステイトクラフトの構築
保守派、進歩派それぞれの脆弱性
世界に拡大していく中国の「核心的利益」
第1章 権威主義的エコノミック・ステイトクラフト
オーストラリアワインへの制裁関税
中国共産党の政治的利益のための制裁措置
ハリウッドは中国批判ができない
ノルウェー、フィリピン、韓国への経済制裁
ウイグル弾圧批判と台湾訪問に対する報復措置
巨大な経済力を政治力や外交力に変換する
第2章 マスクに群がった世界
マスクの主要供給国だった中国
名古屋で買い占められたマスクが中国へ
トランプ政権下の危機的なマスク不足
米国で「国防生産法」発動が検討される
アメリカにとっての「産業政策」
中国の軍民融合戦略――「ファーウェイ」と人民解放軍
トランプがしかけた米中貿易戦争
医療機器の戦略的備蓄措置
第3章 中国の「二重機能戦略」
国境を越える統一戦線組織の工作活動
各国の中国人に命令を伝達する
第4章 ハニートラップと姉妹都市
「どこに行っても彼女がいた」
中国大使館主催の「米中姉妹都市会議」
はじめてアメリカを訪れた若き習近平の思い出
「一帯一路」構想と姉妹都市交流の役割
そして女スパイ、クリスティン・ファンは姿を消した
ロシアや中国がよく使っている手口
在米中国人工作員と中国系コミュニティー
姉妹都市提携と引き換えのパンデミック支援
台湾都市の提携事業に中国外交官が「懸念」
第5章 「ズーム」イン
ネット検閲を拒否すれば中国市場から追放
史上初のバーチャル天安門事件追悼会議
中国政府がズームをシャットダウンする
参加者全員のユーザー情報を提供せよ
IDとパスワードが中国の治安当局者に
ニセのアカウントから会議へのクレームを送信
FBIの起訴状で暴かれた「悪魔との取引」
中国における事業展開で「戦略的優位性」が得られる
秘密のままにされる中国政府の秘密工作
国家管理を強化する「中国サイバー・セキュリティ法」
中国政府の要求に応じたアップル
中国政府はあらゆるものを奪い続ける
グーグルの秘密プロジェクト「ドラゴンフライ」
北京の強制に自由市場は対抗できない
第6章 WHOと中国共産党
テドロスは中国政府の対応を称賛する
「中国によるWHO支配」を理由にトランプは脱退を表明
アフリカ系住民への強制検査と隔離
台湾を非難するテドロス
パンデミックの起源に関するデータを隠匿する中国
中国とエチオピアの密接な関係
元保健大臣としての姿を現したWHO事務局長
第7章 ニセ情報(ディスインフォメーション)戦略
ツイッターを利用した情報操作
急激に膨れ上がった中国メディアのフォロワー数
政府のプロパガンダを海外へ拡散、海外からの情報は遮断
「ウイルスはアメリカの生物兵器」説を展開
トランプの情報戦と中国の情報戦の類似点
第8章 オーストラリアの戦い
党幹部の狙いは「戦わずして勝つ」
大学内に機密情報提供者の大規模ネットワーク
安全保障上の懸念が高まる中国
豪州ダーウィン港の九九年間のリース契約
オーストラリア上院議員と中国人不動産業者の癒着
他国の主権に対する中国の干渉
人民解放軍上将と西側政府要人との交流
トランプの登場、TPP脱退、習近平との会談
世界中の民主主義国が直面する共通の課題
「インド太平洋戦略枠組み」の承認
あらゆる領域に中国はスパイを配している
「ファーウェイ」をオーストラリアから締め出す
オーストラリアに対する「十四の不満」
第9章 香港で何が起こっていたのか
アメリカ市民である民主化活動家への逮捕状
あらゆる人物、あらゆる国を対象とする国家安全維持法
中国が激怒した「二〇一九年香港人権・民主主義法」
世界のどこに行っても中国人に逃げ場はない
他国からの制裁を阻止する「反外国制裁法」
第 10 章 政治利用された中国製ワクチン
WHOに承認されなかったロシア製ワクチン
イラン、ジョージアへの中国製ワクチン大量供給
中国製ワクチンへの懸念が広がる
台湾のワクチン確保を中国が妨害
出口を見いだせなくなった中国
第 11 章 民主的な経済戦略のために
何が中国の権威主義的国家資本主義を台頭させたか
新しいリバタリアン正統主義が広がっていく
中国の人権問題と貿易問題を切り離したクリントン
暴走する自由市場資本主義への激しい非難
権威主義的エコノミック・ステイトクラフトへの対抗
民主主義国がなすべきこと
経済行為を守る民主主義的ガードレールの強化
個人と企業の経済安全保障の強化
国際的なアクション――民主主義国による集団行動
経済的威圧に対抗するための集団的経済防衛協定
国際機関への調停申し立て
経済的強制力の弱体化――救済と回復力
効果的な抑止に必要なコミュニケーション
中長期的リスクの軽減
官民連携でレジリエンスを改善
制度的能力の向上を目ざした国内措置
抑止力――将来に向けた防火対策
懲罰による抑止
結論