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草思社文庫

文庫 増補新版 でっちあげの徴用工問題

単行本版

著:西岡 力

紙版

内容紹介

2018年の韓国大法院が下した日本企業の賠償を認める不当判決以来、
資産差し押さえ、現金化へと進む事態はいよいよ日韓関係を毀損する危険な水域に達した。
1965年の日韓請求協定で解決済みとする日本の論拠、さらに「慰安婦問題」と同じく
日本を貶めようとする親北勢力の歴史戦に立ち向かう歴史の真実など、
いわゆる「徴用工問題」の第一人者が余すところなく解説する。
最新情報を加え「佐渡金山」問題の新章を書き下ろした決定版。

目次

増補新版文庫版まえがき 日韓関係の根底が崩れようとしている

はじめに 日韓で今、大変なことが起きている

第1章「徴用工」のいない「徴用工裁判」
徴用ではなく募集・斡旋された労働者
大手マスコミの誤用が続く
三菱重工2件同時判決の意図
「日本統治不法論」という奇怪な観念
判決を正確に理解していない日本共産党

第2章 不当判決を徹底批判する
募集という事実には触れない矛盾
原告2名は採用審査で合格
応募で日本に来た2名
無報酬・暴力は事実なのか?
補償はすでに済んでいる
「違反」とされた日本の司法判断
差し押さえは盗みに等しい
損害賠償請求権をめぐって
雇用も期限契約も「反人道的」?
歴史的経緯も国際法もくつがえす
締結後に蒸し返された慰謝料
講和条約を杜撰に曲解?
国際法無視の要求
韓国政府の補償は道義的人道的?
日本企業敗訴の結論ありき
個人の請求権は残っているのか?
慰謝料請求は無限に続く

第3章 先人が作った日韓国交の枠組みを守れ
不一致を認め合う知恵
日本の韓国統治は合法だが遺憾
サンフランシスコ講和条約の枠組み
5億ドルが生んだ「漢江(ハンガン)の奇跡」

第4章 日韓関係を悪化させる日本人たち
和田春樹氏らの政治工作
日韓関係を悪化させた日本人540人
歴史認識は一致しなくて当然
韓国併合100周年の「清算」
戦時労働者裁判を支援したのも日本人
日本企業を被告とする戦時労働に関する韓国の訴訟一覧

第5章 日本企業を守れ
差し押さえ執行手続きへ
真の狙いは財団設立?
請求権協定に基づく仲裁委員会の設置を
韓国政府が認定した「日本戦犯企業リスト」
誤解へと誘導する歴史館  

第6章 韓国政府による個人補償の実態
請求権協定ですべては決着
韓国政府が進めた個人補償
「民官」共同の委員会

第7章 戦時労働の実態1 統計から見た真実
「強制連行」ではなく「戦時動員」
●戦時動員政策は失敗
内地渡航者の 75 %が出稼ぎ者
終戦時の在日朝鮮人の 80 %は出稼ぎ者と家族
動員の時期区分、第一期「募集」/第二期「官斡旋」「徴用」
動員者の4割が契約終了前に別の職場へ逃亡
●動員計画前の状況、渡航抑制政策
森田芳夫の業績
動員時期に120万人増えた在日朝鮮人人口
統治時代を通じて増え続けた在日朝鮮人
なぜ内地に渡航したのか
1934年の渡航制限閣議決定
総督府の渡航阻止政策  178 「不正渡航者」2万人を内地から朝鮮へ強制送還
使用する統計数字
動員総数は 63 万5000余人
●動員第一期(1939〜1941年)――「募集」
閣議決定の例外として始まった戦時動員
「募集」は全渡航者のわずか1割だけ
不正渡航の手段として動員を利用
●動員第二期(1942〜1945年)――「官斡旋」「徴用」
「官斡旋」の動員でも4割が逃亡
官斡旋と徴用の内訳
動員者の4割が契約終了前に逃亡
60 %が官斡旋を利用して逃亡を考えていた!
逃亡の7つの理由
動員計画は失敗

第8章 戦時労働の実態2 戦時労働者の手記から見た真実
二つの朝鮮人徴用工の手記
広島市の東洋工業に徴用された鄭氏の手記
徴用者を迎えるのに神経を使った会社
若い女工らに囲まれた楽しい工場生活
戦争未亡人との逢い引き
逃亡して東京で朝鮮人の親方の飯場へ
高賃金、軽労働の飯場生活
実態を知らずに日本を批判する韓国の若者
日本政府も実態を知っていた

第9章「在日は強制連行の子孫」という幻想
在日韓国・朝鮮人は強制連行の子孫ではない
国益を侵す発言
134万人余が帰国
冷める引き揚げ熱
終戦直後のある徴用工の体験
引き揚げまでの日々
在日の大部分は戦時動員前に来日した人の子孫
引き揚げ事業についての政府の歴史認識

第 10 章 佐渡金山と朝鮮人戦時労働
佐渡金山をめぐる岸田政権の歴史認識
「強制連行」「強制労働」の不適切表現が史実を歪める
戦時徴用は「強制労働」に該当しないとする国際条約
岸田政権が強化する歴史問題の国際広報体制
佐渡金山における朝鮮人戦時労働
新潟県史と相川町史の「強制連行」の記述について
広瀬貞三氏の強制労働説への反論

資料◆日本製鉄(旧社名・新日鐵住金)・朝鮮人戦時労働者裁判 韓国大法院(最高裁)判決主要部分
資料◆2010年・日韓知識人共同声明日本側署名者 540人

あとがき

著者略歴

著:西岡 力
西岡 力(にしおか・つとむ)
1956年、東京都生まれ。国際基督教大学卒業。筑波大学大学院地域研究科修了(国際学修士)。韓国・延世大学国際学科留学。1982年~84年、外務省専門調査員として在韓日本大使館勤務。東京基督教大学教授を経て、現在、(公財)モラロジー道徳教育財団教授・歴史研究室長、麗澤大学客員教授。「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)」会長。歴史認識問題研究会会長。最新刊に『韓国の大統領はなぜ逮捕されるのか』(草思社)、ほかに『わが体験的コリア論』(モラロジー道徳教育財団)、『日韓「歴史認識問題」の40年』(草思社)、『増補新版 よくわかる慰安婦問題』(草思社文庫)など多数。

ISBN:9784794226099
出版社:草思社
判型:文庫
ページ数:336ページ
定価:1000円(本体)
発行年月日:2022年10月
発売日:2022年10月05日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JPS