◆3・11後、科学論は展望を開けるか?
村上陽一郎は『西欧近代科学』『近代科学と聖俗革命』(小社刊)などを始発に、「聖俗革命」「科学史の逆遠近法」などの魅力的な概念を提案し、科学史・科学哲学に新風を吹き込みました。その後も『新しい科学論』『科学者とは何か』『安全学』などのベストセラーを連発し、多くの一般読者も得ました。本書はその謦咳に接した気鋭の論者たちが、村上科学論とは何だったのか、ポスト3・11の世界にどのような意味を持つのかという観点から、その理論を冷静かつ厳しく「批判」し、それに村上が、「学問的自伝」をからめながら、真摯に「応答」したものです。そこには、教師と弟子という縦の関係ではなく、同じ道を歩む研究者どうしの、自由で平等な学問的関係が見られます。村上科学論の総決算の書といえましょう。テレビでおなじみの林修先生も、村上の講義に魅せられた一人だそうです。