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夢と眠りの博物誌

著:立木 鷹志

紙版

内容紹介

眠りの哲学・医学的解釈を導いたアリストテレスやギリシャ神話から『眠りの森の美女』、吸血鬼ドラキュラ、『バイオハザード』まで、思想・文学・芸術の研究書・思索書を渉猟し、死と眠り、夢と覚醒が織りなす世界を実存的にとらえ返し、身体の神秘に迫る文化誌。

目次

序章 「眠り」とは何か?
 1 神話からエコノモまで――睡眠学説史
 2 クライトマンとREM睡眠の発見――エコノモ以降の睡眠研究
 3 睡眠のリズム
 4 「眠り」の実存的とらえ返し

第1章 眠りと不眠――不眠の存在学
 1 不眠の恐怖
 2 「眠り」の実存的概念
 3 不眠症のパラドクス
 4 眠りという文化
 5 寝室という装置
 6 必要睡眠時間とは
 7 ドラッグの眠り
 8 不眠を受け入れる

第2章 夢と眠りの構造学
 1 夢の彼方に向かって
 2 夢の特徴――その主体と推理
 3 夢と想像力
 4 夢の現象学
 5 明晰夢について
 6 想像力の可能性――存在の彼方へ

第3章 死と眠りのフォークロア
 1 “眠り”の民俗学的位置
 2 ヒュプノス、ヘルメス、アスクレピオス
 3 『眠り森の美女』の民俗学
 4 死と眠りの様相――古代から中世へ
 5 死と眠りの様相――近代から現代へ
 6 死者の眠り、あるいは生ける死者
 7 ドラキュラと不眠症者
 8 現代の欲望と資本
 9 現代のドラキュラの柩のありか

第4章 現代と夢の力
 1 川端康成『眠れる美女』の逆説
 2 死の象徴としての「眠れる美女」
 3 「夢みる力」の概念
 4 アスクレピオスの治療
 5 眠りと夢の螺旋構造

跋章 眠りの名人・奇人たち
 1 哲学者の眠らぬ工夫――アリストテレス
 2 無眠者と言われた天才――レオナルド・ダ・ヴィンチ
 3 明晰夢研究のパイオニア――エルヴェ・ド・サン=ドニ侯爵
 4 近代“怠け者”精神のモデルたち――オブローモフとデ・ゼッサント
 5 “発明王”と資本主義精神――エジソン
 6 心理学者の“夢判断”――フロイト
 7 “怠け者の天才”――アインシュタイン

参考文献

あとがき

著者略歴

著:立木 鷹志
1947年、埼玉県生まれ。早稲田大学文学部中退。著書に『接吻の博物誌』『媚薬の博物誌』(ともに青弓社)、『夢の形をした存在のための黙示録』(沖積舎)、訳書に『夢の操縦法』(国書刊行会)、『大アルベルトゥスの秘法』(河出書房新社)ほか。

ISBN:9784787233493
出版社:青弓社
判型:4-6
ページ数:290ページ
定価:2000円(本体)
発行年月日:2012年12月
発売日:2012年12月09日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VSP