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量子力学 Ⅱ

著:江沢 洋

紙版

内容紹介

 本書は、懇切丁寧に書かれた量子力学の入門的教科書である。予備知識というほどのものは要らないが、力学ならニュートンの運動方程式とエネルギーの保存則、電磁気なら点電荷の間のクーロンポテンシャル、そして数学は微積分の初歩を知っていれば十分である。
 くわしく解説された本文と、豊富な演習問題にくり返し取り組むことによって、量子力学的な想像力を養うことができよう。巻末にある解答も、くわしく書かれている。
 理論の枠組みを述べ、井戸型ポテンシャルと調和振動子の問題に適用した『量子力学(I)』に引き続き、本書『量子力学(II)』では特に角運動量と原子の構造について詳述する。
 姉妹書に、豊富で斬新な問題と詳しい解答を収めた『基礎演習シリーズ 量子力学』がある。

目次

9.角運動量
 9.1 中心力の場における運動
 9.2 角運動量の交換関係
 9.3 同時固有値問題
 9.4 角運動量の大きさとz成分
 9.5 極座標系で書いた演算子
 9.6 軌道角運動量
 9.7 スピン
 9.8 角運動量の合成
 問題

10.原子の構造
 10.1 水素様イオン
 10.2 定常状態
 10.3 元素の周期律
 問題

11.近似法
 11.1 摂動論 ― 定常状態
 11.2 注目する準位に縮退がない場合
 11.3 注目する準位に縮退がある場合
 11.4 時間発展の摂動論
 11.5 変分法
 11.6 排他律の定式化
 問題

12.散乱問題
 12.1 散乱
 12.2 時間発展を追う方法
 12.3 定常状態をみる方法
 問題

13.輻射と物質の相互作用
 13.1 基本量
 13.2 自由空間の電磁場
 13.3 輻射の放出,吸収
 13.4 等方調和振動子
 13.5 水素様イオン
 問題

付録:積分の計算法

著者略歴

著:江沢 洋
学習院大学名誉教授、理学博士。1932年 東京都に生まれる。東京大学理学部卒業、東京大学大学院数物系研究科博士課程修了。東京大学助手、フライブルト研究員、学習院大学助教授・教授などを歴任。主な著書・訳書に『相対性理論』『量子力学(I)(II)』(以上 裳華房)、『量子力学 I,II』『だれが原子をみたか』(以上 岩波書店)、『フーリエ解析』(朝倉書店)、『ボーア革命』(著訳、日本評論社)、『聞かせてよ,ファインマンさん』(共訳、岩波書店)などがある。

ISBN:9784785322076
出版社:裳華房
判型:A5
ページ数:220ページ
定価:2400円(本体)
発行年月日:2002年04月
発売日:2002年04月15日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PH