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障害者たちが生きる時代を問う

アソシエーション・コモン社会への展望

編著:堀利和

紙版

内容紹介

 社会が変われば「障害」の意味も変わる。福祉分野では対象者を「保護」と呼んでいたが、その後その関係を「支援」というように改めてきた。そして今、障害学では「社会モデル」「人権モデル」という認識に至っている。しかし私はもっと本質的な視点から問いたい。「社会」とは、「時代」とは一体如何なるものなのか、…それが障害者を、人間を、規定すると考えるからである。だから「社会変革」にまで、その実践を広げる必要があろう。単に障害者諸政策だけに限定しない。それが本書の要と考える。(本書「まえがき」から)

目次

〔Ⅰ〕運動の歩み、私の関わり
第1章 十代後半からの私の政治社会運動
第2章 障害者運動の歩み

〔Ⅱ〕津久井やまゆり園事件
第1章 津久井やまゆり園事件の真相に迫る
第2章 植松聖の歪んだ正義感と優生思想

〔Ⅲ〕コモン社会とその展望
第1章 地域から「コモン」社会のネットワークづくりへ
第2章 障害者と『資本論』─労働力商品化を止揚したコモン社会への展望

〔Ⅳ〕障害者の政治参加
⑴ 共生・共育・共政の21世紀に向けて 
  堀 利和
⑵ 盲導犬と共に活動したある視覚障害者議員の誕生から引退まで
  藤田芳雄(元新潟県長岡市議)
⑶ 2023年統一地方選挙で全国初精神障害当事者議員誕生
  堀合健二郎(神奈川県大和市議)
⑷ 重度障害者にとって就労は「一番遠い権利」
  木村英子(参議院議員)
⑸ 有権者は障害者議員の夢を見るか
  上保晃平(朝日新聞記者)

〔Ⅴ〕寄稿 
精神科病院・精神医療について思う事
  堀合悠一郎(認定非営利活動法人さざなみ会 理事長)

著者略歴

編著:堀利和
小学四年生の時、静岡県立静岡盲学校小学部に転校。同中学部卒。東京教育大学(現筑波大)付属盲学校高等部、明治学院大学卒。日本社会事業学校専修科終了。民間保育園の保父、都立城南養護学校スクールバス添乗員。大田区中途視覚障害者点字講習会講師。視覚障害者労働問題協議会代表。東京ハリ・マッサージユニオン協同組合理事長。八九年から参議院議員二期(社会党、民主党)。立教大学兼任講師。現在、NPO共同連顧問。『季刊福祉労働』編集長。
著書『障害社会科学の視座』『障害者から「共民社会」のイマジン』『障害者が労働力商品を止揚したいわけ』、編著『私たちは津久井やまゆり園事件の「何」を裁くべきか』『私たちの津久井やまゆり園事件』(以上、小社)ほか多数

ISBN:9784784524242
出版社:社会評論社
判型:4-6
ページ数:192ページ
定価:1700円(本体)
発行年月日:2024年07月
発売日:2024年07月16日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JKS