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周恩来の足跡

中国を救い世界を魅了した生涯

著:李海文
監:村田忠禧

紙版

内容紹介

中国人民の周恩来への敬慕の念の強さを感じさせる伝記の翻訳。その生涯を政治、軍事、外交、統一戦線、運輸、文芸、そして夫婦、同志の愛情など103の独立したエピソードで構成。関心の赴くまま人物像を追ううちに、多角的・具体的に浮かび上がらせる。本書には240余の人名索引を収録。

原書は中国共産党創建100周年に刊行された『周恩来伝略』。執筆者たちは、中共中央文献研究室(現在 中共中央党史と文献研究院)の勤務経験者で、一次資料の閲覧や当事者等への聞き取り作業を行うなど、その執筆内容は信憑性と迫真性が高い。

「昨今の日本政府はアメリカ産の「中国脅威論」に毒され、かつての侵略戦争を反省し、子々孫々仲良く付き合おうと呼びかけた「日中共同声明」の精神を忘れている。どうすればこうした事実に合わない中国認識を改めさせることができるだろうか——。

周恩来は78年間の生涯において中国共産党人として57年、そのうちの大半を党の最高指導層の一人として活動した。建国後、総理として26年。彼ほど長期に渡って党と政府の中枢で活動した人物はいない。毛沢東を最高指導者として見いだしたのは周恩来だが、毛沢東が文化大革命の発動という重大な過ちを犯したが、彼と一線を画すという対応はせず、あえて動乱「地獄」に入っていった。林彪や江青に党と政府の指導権を奪われないよう、知恵と勇気を発揮して巧妙に戦った。苦労の連続で自分の命を縮めてしまったが、毛沢東の死後、江青一味は逮捕され、周恩来の遺志を受け継いだ鄧小平により中国は改革開放の道を歩み出す。」(監訳者)

著者略歴

著:李海文
北京大学国際政治系卒業。中共中央党史和文献研究院の研究員。1979年4月より中共中央文献研究室にて周恩来年譜生平小組副組長、周恩来研究組副組長。1998年より中共中央党史研究室で『中共党史研究』副編集長、『中共党史研究資料』編集長。日本、台湾で学術報告を行なう。『周恩来年譜(1898~1949)』、『歴史巨人身辺—師哲回想録』、『“四人組”上海残党覆滅記』、『周恩来家世』、『彭真市長』、『中国工農紅軍長征親歴記』、『中共重大事件親歴記』、『多棱鏡下的周恩来』の執筆・主編など多数。
監:村田忠禧
1946年、神奈川県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科文学修士。東京大学教養学部助手、横浜国立大学助教授、教授、現在は名誉教授。主な著書として『チャイナクライシス「動乱」日誌』(蒼蒼社)、『現代中国治国論 蒋介石から胡錦涛まで』(勉誠出版、許介鱗との共編)、『日中領土問題の起源 公文書が語る不都合な真実』(花伝社)、同書中文版『日中領土争端的起源 従歴史档案看釣魚島問題』(社会科学文献出版社)、『史料徹底検証 尖閣領有』(花伝社)、同書中文版『日本窃取釣魚島始末 史料与考証』(社会科学文献出版社)、翻訳書 『周仏海日記(1937~1945)』(みすず書房)、『毛沢東伝(1893~1949)』(みすず書房)、『日本軍の化学戦 中国戦場における毒ガス作戦』(大月書店)、『「毛沢東の私生活」の真相』(蒼蒼社)、映画『周恩来』日本語字幕作

ISBN:9784784513840
出版社:社会評論社
判型:A5
ページ数:376ページ
定価:3400円(本体)
発行年月日:2023年07月
発売日:2023年08月11日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DNB