出版書誌データベース

心に響く「うた」。愛唱歌、名句、詩、短歌、俳句など、さまざまなうたが描くのは、豊かな自然、四季、風土が織り成す生きるものたちのいとなみ――。2016年12月に発刊した上巻の続編は、元信毎記者・コラムニストの著者が、伊那谷、木曽谷、八ヶ岳や浅間山の麓、千曲川源流、北アルプス、秋山郷、善光寺平へと、うたの舞台を訪ねて歩く旅を続けます。情報紙「週刊長野」に2012年1月から16年12月まで5年間、隔週で連載された「愛と感動の信濃路詩(うた)紀行」から、後半の61編を加筆、収録しました。歌詞や言葉の味わいと、うたに刻まれた人々の思いを、はるか縄文の世から現代に至るまで、それぞれの時代背景とともに紹介していきます。風景写真や案内地図に加え、作者の肖像、スナップ写真も掲載。上巻と合わせて、信州の文学と歴史散歩が堪能できます。

◎紹介する歌・作者
【唱歌・童謡・子守唄】お猿のかごや/どこかで春が/夕焼小焼/めえめえ児山羊/きんたろう/ねむの葉の子守唄/里の秋/正月とっちゃ/故郷
【青春の歌・新民謡】あざみの歌/上田周遊唱歌/月よりの使者/あゝモンテンルパの夜は更けて/龍峡小唄/川中島音頭
【民謡】安曇節/絵島節/御柱木遣り唄/大豆島甚句/秋山のよさ節/地蔵峠の馬子唄
【詩】シモダイラ・ケイコ「ツクシ」/尾崎喜八「美ガ原」/吉江孤雁「蝸牛の涙」/百瀬慎太郎「山を想えば」/田中冬二「小谷温泉」/三好達治「夏の日の」/島崎藤村「千曲川旅情」/佐藤春夫「深山少女」/頼山陽「川中島合戦」/馬頭観音「軍馬慰霊」/藤本幸邦「はきものをそろえる」/椋鳩十「感動」
【短歌】吉野秀雄(夜間瀬川)/岡麓(疎開の哀歌)/和田英(母のしつけ)/中村柊花(土の歌人)/木下尚江(普選の父讃歌)/宮原茂一(縄文の美)/桃沢夢宅(深見草)/古今和歌集(姨捨の月)/本居宣長(浅間山大噴火)/紀貫之・土屋残星(望月の駒)/浅井洌(安茂里の里)/拾遺和歌集(久米路橋)/万葉集(防人の歌)/小林一茶(老木桜)/土屋文明(伊藤千代子)/清原日出夫(それぞれは)/斎藤史(修那羅峠)
【俳句・川柳】石橋辰之助「山岳俳句」/大島蓼太「雪の句」/井上井月「天竜川通船」/板垣峰水「シベリヤ抑留」/大島民郎「高原俳句」/桂信子「信濃全山」/松尾芭蕉「更科紀行」/河合曽良「辞世の句」「永遠の旅人」/茂呂何丸「浅間の春」/中島紫痴郎「川柳佳句」