傳奇集
著:北川透
紙版
内容紹介
絶えざる脱出行
すべての偶像の偶然は 溶けて流れて消えていった
魂などというものがあったとしても
石ころ同然 蹴飛ばしてやりゃあ せいせいするさ
(「脱出考」)
わたし、あるいは無数のあなたが迷いこんだ、変幻する孤島。海峡の光乱れる波だちから、叫び渦巻く深底へ。なおも言葉に託して、果ての光景までを生き切る。ゴーギャンの島、傳奇集、海の領分、敗荷――4章から成る、7年ぶり、待望の新詩集。装幀=毛利一枝