◆第一句集
灯芯をはさむ懐紙や西鶴忌
懐紙は茶事のさまざまな用途に欠かせないもの。
着物の胸元に挟んだ懐紙をさっと引き抜く。
じゆんさんは誰より懐紙の似合う人だ。
序より・小川軽舟
◆自選十二句
蛇出でて近江の雨に濡れにけり
空梅雨や竹輪より抜く竹の棒
呉服屋の自惚鏡春を待つ
能面の裏の膩や冷まじき
老いぬ間に逢ひたき人や春の雪
灯芯をはさむ懐紙や西鶴忌
あかがねの鐘ぞ聞こゆる春野かな
虹消えて物干竿の雀かな
炭火爆ぜたり愚図の身の底力
かんにんと小声で言へり花の雨
火加減はにこにこにまり稚鮎煮る
天に順ふ桜の咲くも我が散るも