◆最新句集
冬の月母の知らない日を生きる
母亡きあとの今日までの「母の知らない」日常。過ぎ去った日々の気の遠くなるような忍耐、忍苦の時間。
句の中身は一時代前かも知れないが、これも一つの女性生活史である。
(序に代えて・鈴木明)
◆自選十句
下萌えや団塊世代が待っている
こどもの日子供のような人といる
天の川美しく老いるなんてうそ
金木犀彼らが巣立った家の庭
飛び石のえくぼに残る寒の水
その昔ひまわりだったお母さん
日短か背中のチャックが上げにくい
皺深き手を携えて十三夜
凍蝶や執着にあらず我が余白
冬の月母の知らない日を生きる