◆第一句集
囀りのコロラトゥーラの山路かな
山路を歩きながら耳にした鳥の囀りをコロナトゥーラだと感じ取った。普段から音楽に親しんでいなければ湧かない発想であろう。
序より・日原 傳
◆自選句十二句
藻刈舟一艘モネの水の庭
鎌倉の椿尽くしの花御堂
水打つて佃島に小さき佃煮屋
黒日傘霊南坂を上りゆく
朝顔市其一の紺青探しをり
真ん中を川流れゆく野焼かな
暮れ初めて雪大文字仰ぎけり
蕪村忌の毛馬はしぐれてゐたりけり
銀杏をからころ炒りて五日かな
パイプオルガン雪の日のバッハかな
かまくらにこけしのやうな子が二人
凍つる夜のネヴァ河白き帯となり