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今日の主要な社会的課題である、福祉と医療に関する基礎知識を学ぶためのテキスト。
第１～５講では、主に臨床的視点から、疾病構造の変化や医療における福祉的課題について学ぶ。
第６～９講では、よりマクロな視点から、医療にかかわる政策・制度や医療サービスの提供体制等について学ぶ。
第10～15講では、医療と福祉に関係する専門職と両分野の連携・協働、介護保険制度、地域包括ケアシステムの構築、および篤に地域における福祉と医療の連携・協働について学習を進める。
課題を見出し、解決のための方策を探究することを通して学習を発展させることができるよう、巻末に探究課題の例を掲載。

第１講　疾病・障害の理解と生活
１　健康の定義と疾病の理解
（１）健康の定義
（２）疾病に関する概念
（３）生物－心理－社会モデル
２　疾病・障害と生活の理解
（１）ICF（国際生活機能分類）
（２）ICFの視点に基づく医療・福祉的支援のあり方

第２講　〈医療と福祉の動向１〉疾病構造の変化
１　疾病構造
２　人口転換と疾病構造の変化
（１）人口転換
（２）疫学転換
３　慢性疾患の増加に伴う課題

第３講　〈医療と福祉の動向２〉病院完結型から地域完結型への変化
１　病院完結型医療から地域完結型医療への転換
２　入院医療から在宅医療へ
（１）社会的入院の背景と医療保険制度
（２）在宅医療の推進
２　地域医療連携型から地域連携へ

第４講　〈医療における福祉的課題１〉医療倫理・患者の意思の尊重
１　医療倫理
（１）医療倫理の４原則
（２）患者の権利
２　患者の意思の尊重

第５講　〈医療における福祉的課題２〉その他の課題
１　難病
２　終末期ケア
３　依存症
４　認知症
５　自殺企図
６　虐待

第６講　〈政策・制度および支援１〉医療にかかわる政策・制度
１　保健医療制度の体系
２　保健医療制度の運営
３　保健医療政策・制度の動向

第７講〈政策・制度および支援２〉医療サービスの提供体制
１　医療法
（１）医療に関する選択の支援
（２）医療の安全の確保
（３）医療法人
２　医療提供施設
３　医療提供体制の整備
４　在宅医療

第８講　〈政策・制度および支援３〉医療費の保障
１　医療費の保障制度
（１）社会保険
（２）公費負担医療
２　医療保険制度と労働者災害補償保険（労災保険）制度
（１）医療保険制度
　　１）医療給付　２）現金給付と一部負担金の支払い
（２）労働者災害補償保険（労災保険）制度
３　公費負担医療制度
（１）障害者総合支援法による自立支援医療
（２）難病法による特定医療費
（３）精神保健福祉法による措置入院
（４）生活保護法による医療扶助
（５）自治体による医療費助成事業
４　無料低額診療
５　診療報酬制度

第９講　〈政策・制度および支援４〉住居、教育、就労に関する政策・制度
１　退院から生活の場の確保にかかわる政策・制度
２　教育への参加ならびに就労および社会参加にかかわる政策・制度

第10講　福祉と医療の連携・協働
１　福祉分野と連携する医療専門職
２　医療と福祉の専門職間の連携・協働と心理的安全性の確保

第11講　地域包括ケアシステム
１　地域包括ケアシステム
２　地域包括ケアシステムにおける医療機関の役割

第12講　介護保険制度
１　介護保険制度
２　障害者総合支援法と介護給付
３　制度間における関係

第13講　地域包括ケアシステムの構築と地域共生社会
１　地域包括ケアシステムの構築の推進
２　地域包括ケアシステムと地域共生社会

第14講　医療および福祉と業務管理・業務評価
１　業務管理と業務評価
２　診療報酬管理
３　医療安全管理・情報管理・感染管理
４　人的資源管理と予算管理
５　地域連携クリティカルパス
６　生活課題の顕在化と支援の継続性の必要

第15講　地域における療養を支援する医療・福祉
１　療養にかかわる心理的課題とその支援
２　療養にかかわる社会的課題とその支援

探究課題
索引

監：山本　勇
大阪大学医学部医学科卒業。医師。医学博士（大阪大学）。国立大学法人大阪大学大学院薬学研究科准教授、国立大学法人東京外国語大学保健管理センター所長等を経て、淑徳大学総合福祉学部特任教授、他。主な著書に、『新しいDNAチップの科学と応用』（共著、講談社サイエンティフィク）、『最新医学 別冊 脂質異常症（高脂血症）代謝 １ 』（共著、最新医学社）、『骨粗鬆症治療と服薬指導の実践』（共著、先端医学社）、他。 主な監修書に、『子ども時代からともに考え発展させる地域福祉』『医療的ケア児者を包摂する教育支援とICT活用』『養護教諭養成課程 医療的ケア児支援を含む基礎看護実技』『小児保健衛生』『実践にかかわる専門職と学び考える障害児保育・教育』『子どもの保健』（以上、北樹出版）がある。

著：山本　智子
白梅学園大学大学院子ども学研究科博士課程修了。看護師。博士（子ども学）。国立音楽大学教職科目准教授。主な著書に、『子ども時代からともに考え発展させる地域福祉』『医療的ケア児者を包摂する教育支援とICT活用』『養護教諭養成課程 医療的ケア児支援を含む基礎看護実技』『小児保健衛生』『音楽キャリア発達支援』『子どもの保健』（以上、単著、北樹出版）、『実践にかかわる専門職と学び考える障害児保育・教育』（編著、北樹出版）、『SDGsの実現にかかわる音楽ビジネス論』『社会福祉論』『子ども家庭福祉』『キャリア発達』他（以上、単著、開成出版）、『子どもが医療に参加する権利』（単著、講談社）他がある。東京都、神奈川県、埼玉県等において、福祉と医療にかかわる教育および研究ならびに社会活動等に取り組む。