羽ばたき 堀辰雄 初期ファンタジー傑作集
著:堀 辰雄
編:長山 靖生
紙版
内容紹介
宮崎アニメにも多大なる影響を与えた
堀辰雄の初期ファンタジー傑作が、
読みやすい新仮名遣いによって甦る!
多くの人が『風立ちぬ』『美しい村』『菜穂子』などの
サナトリウム文学を思い浮かべる
堀辰雄のイメージを一新するような、
モダンな姿で若者を魅了する東京浅草などを
舞台にした作品群の数々。
新興芸術派のひとりと目されていた堀の初期の作品には、
しばしば天使や妖精が出てくる。
空を飛ぶイメージと共に、水の中を漂い泳ぐイメージを
伴う作品も少なくない。
どちらにも軽やかな浮遊感があった。
堀辰雄の初期ファンタジーを彩る幸福感は、
現実と無関係ではなく、
むしろ現実の過酷さへの順応と防禦として
形作られたものだった。
「堀辰雄」のイメージを一新する、
静謐で摩訶不思議な浮遊感の世界に、浸ってみたい。
目次
【収録作品】
「死の素描」
「羽ばたき Ein Märchen」
「鼠」
「ある朝」
「夕暮」
「風景」
「眠りながら」
「蝶」
「あいびき」
「土曜日」
「窓]
「ネクタイ難」
「ジゴンと僕」
「水族館」
「眠れる人」
「とらんぷ」
「Say it with Flowers」
「ヘリオトロープ」
「音楽のなかで」
「刺青した蝶」
「絵はがき」
「魔法のかかった丘」
解説 天使と妖精たちのモダニズム 長山靖生