家族離散の可能性、永遠の生き別れに遭遇する
不安と苦痛は計り知れない!
かつてアメリカの奴隷制下で家族を失ったことは、
アフリカ系アメリカ人たちに重くのしかかった。
それは想像できるものではなかった。
汚れなき者への冒瀆であった。
子供たちが徐々に学んだように、奴隷であるがゆえに人は、
売られるがままとなるしかなく、親や兄弟姉妹や夫や妻や家族を
失わないようにするための権限をもつこともなく無力であった。
人びとは喪失という経験を忘れず、その苦しみをもたらした特定の
個人の権力と奴隷制度の威力を忘れなかった。
家族が離散させられる可能性、さらにはその現実が、
奴隷制下にある黒人たちの生涯に幽霊のようにつきまとった。
奴隷制が廃止された後も、その苦しみの記憶は消えなかった。
本書は、家族から強制的に引き離された「奴隷」たちが
「人」としていかに悲しみ悩み、
それでも生きてお互いを求め続けたか、
「人の絆」を活き活きと描き、歴史のなかに生きた人びとの
生の言葉を通して現代に問いかける名著である!