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アメリカの奴隷制を生きる

フレデリック・ダグラス自伝

著:フレデリック・ダグラス
監:樋口 映美
訳:専修大学文学部歴史学科南北アメリカ史研究会

紙版

内容紹介

 この小さな本によって、アメリカの奴隷制が脚光を浴び、
奴隷となっている何百万もの私の同胞が救出される
うれしい日が早く来ることを真剣に心より願い、
私の小さな努力が成功するように、真実と愛と正義の力を
固く信じつつ、この聖なる大義に新たに自分を捧げると
厳粛に誓って、ここに署名する。
    フレデリック・ダグラス
 マサチューセッツ州リンにて
     一八四五年四月二八日

奴隷として生まれ、独学で読み書きを覚えた
過酷な半生を描く!

 19 世紀前半の20 年間、「人間性」を破壊する
奴隷制に抗って生き、ついに逃亡に成功するまでの、
ダグラスが「人間として生きた」苦難の道のり。

 本書は、ダグラスをはじめとする「奴隷」たちばかりか、
「奴隷」を所有する人々をも浮き彫りにして、「奴隷制」
の本質を描き出す貴重な記録でもある。
 19 世紀半ばに書かれながら、今でもアメリカで
多くの人々に読み継がれるのは「人間として生きる」ことが、
洋の東西を問わず、現在でも切実な問題であり、
常に問われているからだろう。

目次

訳者まえがき
序文─ウィリアム・ロイド・ギャリソン
ウェンデル・フィリップス卿からの書簡─
ウェンデル・フィリップス
第1章 奴隷に生まれて
第2章 ロイド大佐のホーム・プランテーション
第3章 ロイド大佐と奴隷たち
第4章 罪に問われぬ殺人
第5章 ロイド大佐のもとを去る
――あこがれのボルティモアへ
第6章 新しい主人と港町ボルティモア
第7章 読み書きの習得――自由への手がかり
第8章 遺産の分配――奴隷制への怒り
第9章 「キリスト教徒」マスター・トマス
第10 章 抵抗――
コーヴィとの闘い・仲間との逃亡計画・造船所での闘い
第11 章 逃亡――ニューベッドフォードでの出会い
追補 二つの「キリスト教」
訳者あとがき
監修に寄せて

著者略歴

著:フレデリック・ダグラス
Frederick Douglass.(1818- 1895)
監:樋口 映美
(ひぐち はゆみ)
専修大学教授(アメリカ社会史、人種関係史)。
著訳書に『アメリカ黒人と北部産業』(単著)、
『アメリカ黒人姉妹の一世紀』(訳書)、
『奴隷制の記憶』(訳書)、
『貧困と怒りのアメリカ南部』(訳書)、
『アメリカ公民権の炎』(訳書)、
『歴史のなかの「アメリカ」』(共編著)、
『流動する<黒人>コミュニティ』(編著)、
『<近代規範>の社会史』(共編著)他。
訳:専修大学文学部歴史学科南北アメリカ史研究会
(せんしゅうだいがくぶんがくぶれきしがっか なんぼくあめりかしけんきゅうかい)

ISBN:9784779121944
出版社:彩流社
判型:4-6
ページ数:211ページ
定価:1800円(本体)
発行年月日:2016年01月
発売日:2016年01月21日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DNB