「原爆」は破壊力の大きい通常兵器の延長......。
都市への無差別爆撃と同様の“衝撃戦略”の一環だった!
本書は従来の原爆投下研究が自明とする枠組みの限界を指摘し、その枠組みを超えたところから原爆投下を検証しようとする。
たとえば原爆投下研究は、日本降伏による戦争終結をもって、叙述が終わることが多いが、本書はそれ以後の時期にも視野を広げ、三発目の原爆投下が最後の最後まで準備されていた事実を強調している。原爆投下がすぐに戦争終結をもたらすとは、 アメリカの戦争指導者は考えていなかったのだ。
原爆投下は、ヒロシマ、ナガサキ以降のある面で創られた“神話”ではなく、投下に至る前の歴史解明にその本質が存在する。
それは、核兵器認識に関する叙述が、原爆投下によって始まることが多いなかで、本書は原子爆弾/核兵器への認識を導きとて、日本の降伏を分岐点あるいは結節点として、第二次世界大戦終結前と後の世界を結びつけることによって核時代、冷戦、そして現代の核問題をさぐる。