元寇”という歴史認識で見落とされがちな東アジア、朝鮮半島の
“真相”に迫る物語。
モンゴルが高麗への侵略を始めたのは一二三一年、高麗は
都を移しながら、三〇年にわたって抵抗を続けた後、元宗(ウォンヂョン)が
ついにフビライに屈服、開京へ戻った一二七〇年に三別抄(サムビョルチョ)が
叛乱を起こし、蒙古軍にも抗戦する。
この抵抗が、蒙古襲来を遅らせた。三別抄が日本の身代わりとなったとも
いえる出来ごとであった。また、フビライは大帝国を目指して南宋とも
闘争中であり、日本遠征と服属は大戦略の一環であり、急眉の課題で
あったが、高麗軍と元の連合軍の第一次遠征は失敗に終わった。
そして第二次遠征も結果的には失敗に終わるが、この戦争目的は
単に日本占領を目指したものではなかったのではないかという仮説を
展開する。当時も極東における国際政治の影を読むことの重要性を
突きつける好著。