個人と国家が緊密で緊張関係にある国、アメリカ史への新たなる切り口!
自由と平等の普遍的イデオロギーによって構築されている国民国家、アメリカ合衆国は、現実社会の激しい変化に応じてイデオロギーを具体化した体制を改め、国民の間に引かれた境界線を動かしてきた。合衆国では理念と現実との均衡点をどこにおくかをめぐって、歴史上常に問題となり、争いとなってきた。イデオロギーをあまりに普遍的にしたために、独立革命期に強く危惧されたように、各個人が男も女も文字通り平等で自由に行動したら、国家は一体どうなってしまうのか。当然強い不安があった。それゆえ、合衆国では個人の自由が強調される一方で、公共性を支える心の習慣をいかにはぐくむかの配慮が重大なのであった。「習慣」に従って、理念を現実的なものに適合させてきたのであり、現実には境界線が引かれることになった。その境界線も“真の”アメリカ人の規定をめぐって揺れ動いてきた……