「奇品」とは「かわりもの」という意味で、江戸時代半ばに日本で生まれた世界唯一の文化である。それは、斑入りや葉変わりなど、人為的に手を加えることなく自然に変異した植物の「葉」に、美と希少性を見出す鉢植え文化を指す。「奇品家」と呼ばれた江戸の粋人たちは植木の葉の微妙な変化を独自の感性でとらえ、深い愛情を注いで栽培した。しかし、わずか100年ほどで廃れてしまったため、今では知る人ぞ知る幻の文化とも言われている。
本作では、江戸時代の書『草木奇品家雅見』『草木錦葉集』に収録されている奇品の中から、現在も生き残っている24種類を選び出し、貴重な撮り下ろし写真をカラーで収録。その奇品の特徴や見分け方、出所、由来なども併せて詳説している。その他、奇品についての基礎知識をはじめ、美術・工芸的にも価値のある盆(=鉢入れ)も写真入りで紹介されており、読んでも眺めても楽しい写真図鑑となっている。同著者による『江戸奇品解題』『江戸奇品図鑑』続く三作目の決定版です。