はじめに 7
第一章 何故「悲しみ」をうたうのか
うたい続けられる「哭き歌」 21
戦争と歌の力 鼓舞と慰霊 29
記憶と感情の錯綜 『無聊庵日誌』 35
「忘れる」ことに抗する情 福島泰樹歌集『百四十字、老いらくの歌』 40
何故「悲しむ」のか 窪田政男歌集『Sad Song』 47
第二章 万葉論
戦争と短歌 防人歌における「悲しみ」の成立 55
心情語論 「悲しみ」は貨幣でもある 79
「恋」は抗する なぜ「恋の障害」は母であり噂なのか 102
第三章 ローカルなものとしての短歌
ローカリティ短歌論 141
「歌の翼」に想う 福島泰樹歌集『天河庭園の夜』 152
『中原中也の鎌倉』を読みながら 158
中田實の短歌的身体 歌集『奄美』 162
第四章 あらわしえないから歌う
切実な「ふり」 野口綾子歌集『ジャパニーズガールズジャーナル』 171
歌はアンヴィヴァレンツ 大和志保歌集『アンスクリプシオン』 176
失われたもの、決して手にはいらないもの 松野志保歌集『われらの狩りの掟』 182
第五章 歌に生きる
「海語らず山も語らざる」の語り部 冨尾捷二を悼む 191
窪田政男短歌の魅力 窪田政男歌集『汀の時』 197
「生きて在る」ことへの旅 下村光男歌集『海山』 208
何故「自然」を詠むのか 幡野青鹿『うつろひのおと』・渡辺松男『牧野植物園』 218
第六章 抗することへの意志を秘めて
うしろめたさとユーモアと 佐久間章孔を悼む 233
重信房子の「実存」と抒情 歌集『暁の星』 238
時代を撃つ抒情 藤原龍一郎『抒情が目にしみる 現代短歌の』 247
文学の無用性と有用性 中井英夫『黒衣の短歌史』 254
「自己否定」の果て 高橋和巳『わが解体』 263
「弱さ」と「強さ」 重信房子『はたちの時代 六〇年代と私』 271
「天罰的思考」に抗する 283
あとがき 293
初出一覧 298