倫理的で政治的な批評へ
日本近代文学の批判的研究
著:綾目 広治
紙版
内容紹介
ラディカルな批判性を取り戻す! ポストモダニズム、反動化、〈帝国〉化する世界を視野に入れ、近代文学を倫理・政治の側面から読み解く。有島武郎、大杉栄、中野重治、柄谷行人、横光利一、竹内好……日本近代文学を対象とした研究論文集。
目次
第1部 現代思想と日本近代文学(有島武郎と大杉栄-本能、個性、社会
中野重治と天皇制-「雨の降る品川駅」から「五勺の酒」へ
批評の課題と現代思想
柄谷行人の新たな「転回」-認識から実践へ)
第2部 アジアと日本近代文学(有島武郎と魯迅-アジアからの視線
「上海」「旅愁」のナショナリズム-横光文学の中のアジア・日本・ヨーロッパ
ジャワ徴用文学者のアジア観-日本型オリエンタリズムについて
竹内好のナショナリズム論-中国と日本をめぐって)
第3部 脱=文学研究の領域へ(異文化論の陥穽-翻訳についての原理的考察から
記憶と歴史-認識の問題をめぐって
文学教育で今問われていること-田中理論の特質と可能性
ポストモダニズム以後の「読むことの倫理」-サルトルを再読する)