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山岳科学

他編:松岡 憲知
他編:泉山 茂之
他編:楢本 正明

紙版

内容紹介

山とは何か? 総合的に探求した学問が山岳科学。基礎編では山で生じる自然現象(地球科学から生物学まで)を解説し、応用編では自然保護・保全・防災・観光・歴史・文化・経済・法律まで、文理融合・分野横断した内容を概説する。

目次

序章 山岳科学がめざすもの
基礎編
第1章 山岳の形成
1地球規模での山地・火山の分布/2プレートテクトニクス/3断層と褶曲/4火山とマグマ/5火山の形成プロセス/6造山運動とアイソスタシー/7氷期-間氷期サイクルと山
コラム:白馬岳山頂の海底起源の岩と化石
第2章 山岳の気象・気候
1気候変動と山のかかわり/2山体の熱力学的影響/3山岳域の気候変動/4冬の降雪,夏の猛暑,局地的な強風/5遠隔地での観測と数値解析/6データを分析し活用しよう
コラム:山でセレンディピティを身に着けよう
第3章 山岳水循環
1山から供給される水/2地表付近の水循環システム/3「流域」という概念/4山地流域における水循環/5積雪と氷河/6おわりに
コラム:山が育む日本の名水
第4章 山岳地形
1山とは侵食が卓越する場/2山の構成物と斜面傾斜/3流水による山地の侵食/4斜「面」の形を決めるマスムーブメント/5氷河による地形改変/6周氷河性の風化とマスムーブメント/7隆起と削剥のバランスと山地発達
コラム:トレイルランニングコースの地形学
第5章 山岳植物生態
1山の植物はどこから来たのか?/2植生の垂直分布/3山岳植生と遷移/4山岳フェノロジー
コラム:1. 山岳域の草原-絶滅のホットスポット-
2. 発酵食品-植物と微生物が織りなす山の幸-
第6章 山岳動物生態
1菅平高原の動植物/2山岳動物生態学とは/3山が動物にもたらすもの ①標高勾配-生物多様性の視点から-/4山が動物にもたらすもの ②障壁-熱帯と温帯の山の違い-/5山が動物にもたらすもの ③レフュージ/6まとめ
コラム:日本アルプスの高山に進出するニホンジカ
第7章 山岳森林科学
1 山岳森林科学の研究対象/2日本の森林と保全/3日本の林業/4木質科学と林産業
コラム:日本の森を代表するブナ林
第8章 山岳炭素循環
1山岳域をめぐる炭素/2伐採前(川上)の森林の炭素循環/3伐採後(川下)の実社会の炭素循環/4山岳を支える土壌圏の炭素循環における役割
コラム:川を流れ下る炭素の行方


応用編
第9章 山岳災害と防減災
1おそろしい山岳災害/2災害はどのようにして発生するのか/3山岳災害を防ぐことはできるのか
コラム:森林は土砂災害を防いでいるのか?
第10章 山岳リモートセンシング
1山岳環境のモニタリング/2リモートセンシングの概要/3可視・近赤外リモートセンシング/4熱赤外リモートセンシング/5マイクロ波リモートセンシング/6プラットフォーム
コラム:GPSで遭難を回避する
第11章 山岳生物多様性
1山の生物多様性を考えてみよう/2生物多様性の保全および希少生物の保護の意義/3生物多様性の観点から評価する中部山岳域
コラム:富士北麓,精進湖と本栖湖における「フジマリモ」発見
第12章 山岳地域の社会・経済
1山岳地域の多面的機能/2農山村の社会変化と新たな展開/3山岳と農山村計画/4山岳生態系サービスの経済的価値
コラム: 森林セラピー
第13章 山岳ツーリズム
1.観光とツーリズム/2ツーリズムの目的地としての山岳地域/3.山岳ツーリズムの地域的分布/ 4 山岳ツーリズム形態の多様化/5登山とトレッキング/6スキー
コラム:ヨーロッパアルプスの山岳リゾート
第14章 山岳の自然保護制度 91
1山岳の自然保護を考える/2自然保護の歴史と概念/3日本の山岳保護地域制度/4屋久島における自然保護制度
コラム:富士山における自然保護
第15章 山岳の歴史文化
15.1. 山岳と信仰/15.2. 山岳と生業/15.3. 山岳の建築
コラム:山小屋を設計した建築家
第16章 山岳環境問題
16.1. 山岳域での環境問題/16.2 湖沼における環境問題/16.3 山岳域の大気汚染
コラム:日本最高所の研究拠点-富士山測候所での研究活動-

参考図書・引用文献/キーワード索引

ISBN:9784772242172
出版社:古今書院
判型:B5
ページ数:127ページ
定価:4000円(本体)
発行年月日:2020年09月
発売日:2020年08月27日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:RBGD