序 章 蔣介石の外交戦略から日中戦争を再考する
1 グローバル・ヒストリーから見る日中戦争──蔣介石の「架橋的役割」
2 蔣介石研究の歴史的展開とその現代的意義
3 先行研究の課題と本書の問題意識
4 本書の構成
5 研究方法と資料
第Ⅰ部 蔣介石の対英米外交──期待と批判のはざまで
第1章 日中戦争と英米
1 戦間期のアジア情勢と英米
2 日中戦争以前における蔣介石の対英米外交
3 日中戦争の勃発と対英米外交の展開
第2章 英国に対する不満の噴出と米国に対する期待
1 武漢会戦期における蔣介石の英国批判
2 英国との財政援助交渉
3 英仏との軍事提携構想
4 日英東京会談
5 対米外交の重要性
6 米国の対外政策の活発化とローズベルトに対する敬意
7 日英東京会談と米国
8 ヨーロッパ戦争勃発前夜
9 米国に対する不満
第3章 ヨーロッパ戦争の勃発と英米への非難
1 フランスの妥協策
2 英国との交渉
3 英米の極東政策をめぐる意見の相違
4 米国に対する期待、不満と財政援助交渉
5 米国借款の難航
6 援蔣ルートの閉鎖
7 英米に対する蔣介石の失望
8 米国借款の獲得と蔣介石の不満
第4章 三国同盟の締結と中国の地位の向上
1 蔣介石の興奮と懸念
2 対英米外交の新展開
3 中英米三国提携案交渉
4 日本の汪兆銘傀儡政権承認と英米の経済援助
5 中英軍事提携問題
6 米国に対する飛行機獲得交渉
7 米国の物資援助
8 英米との交渉における平等地位の追求
第5章 同盟への道とその暗い影
1 米国の参戦問題
2 日本の南進に関する英米への期待と不満
3 中英軍事提携交渉と米国
4 英米に対する肯定および批判
5 日米交渉の破綻
6 太平洋戦争の勃発
第Ⅱ部 蔣介石とソ連──日ソ戦誘発の試みを中心に
第6章 「日ソ先戦」論からソ連出兵問題
1 日中戦争前の蔣介石の「日ソ先戦」論
2 日中全面戦争の勃発とソ連への直接出兵要請
3 中ソ相互援助条約の提議
第7章 日中和平工作と日ソ戦
1 高宗武の対日折衝
2 近衛内閣の改造──板垣陸相への期待
3 高宗武の渡日
第8章 張鼓峰事件
1 張鼓峰事件の勃発と蔣介石の観測
2 本格的な軍事衝突の勃発
3 日ソ停戦
第9章 日中戦争と世界大戦を結び付ける最初の試み──ソ連を介として
1 ミュンヘン会談前後における蔣介石の懸念
2 チェコスロバキア併合と蔣介石の日ソ戦争を誘発する動き
3 英仏ソ同盟交渉への期待
4 極東英仏ソ連合の挫折とソ連の変化
5 モロトフの演説と蔣介石の懸念
第10章 日ソ開戦に対する期待の再燃
1 中ソ関係の変化
2 日ソ妥協の機運
3 独ソ戦争の勃発と日ソ戦の誘発
4 日本の進路をめぐる蔣介石の判断の動揺
5 日ソ戦を誘発するための最後の努力
第Ⅲ部 蔣介石の抗日策と日本情勢分析
第11章 日本の国内情勢に対する判断と長期抗戦政策の確定
1 蔣介石の日本認識
2 盧溝橋事件の勃発
3 長期抗戦の決意
第12章 日中戦争の長期化
1 日本の自己反省に対する期待
2 日本の自己覚醒の可能性
3 平沼内閣に対する蔣介石の観測と宣伝攻勢
第13章 情勢の悪化と蔣介石の堅持
1 日本の内部崩壊に対する期待
2 汪兆銘傀儡政権の成立への対応
3 ヨーロッパ戦争の拡大と日本の自己反省に対する期待
4 東亜モンロー主義をめぐる攻防
5 日本崩壊の予測と中国の困難
第14章 日本の南進政策と蔣介石の複雑な心情
1 蔣介石の喜びと懸念
2 日本による汪兆銘政権承認問題と日中和平に対する蔣介石の思考
3 一九四一年への期待
4 日本の壊滅の不可避
5 日本に対する最後の忠告
終 章 蔣介石の外交戦略に対する評価
1 これまでの考察のまとめ
2 蔣介石と日中戦争
3 日中戦争国際化戦略からの啓発──日中戦争と世界情勢の関連性
4 蔣介石の対日認識による日中関係への寄与